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ライオネル公国 2

俺たちは誘拐されていた王女の国に戻すためにライオネル公国に来ている。


しかし、王女が自分の城に戻ってきて、俺たちが助けたと言う事は知っているのに、王様のところに連れていかれるのも、なんだか物々しい感じがする。


確かに、いくら王女を助けたからといっても俺たちは得体の知れない、よそ者ではある。


王女を助けることを理由として、王様を暗殺すると言うことも考えている可能性もあるが。


前後を警備してくれている騎士たちの雰囲気がなんだか違う。


王様がいる部屋に案内されて、王女と対面して王様は喜んでいるが、俺たちにも、お礼を言われた。


ひと目見て王様は、俺たちに対しても気さくに接してくれている。


今の俺たちの立場は、他国の公爵と言うわけではなく、冒険者として振る舞っている。


言われない限りは、SSSランクを示す必要もないので。


護衛の意味もあるかもわからないが、王様がいる部屋まで騎士たちがついてくると言うのも変な話だ。


なんだかこの部屋に入った瞬間に、俺は感じたんだけど、部屋の中の雰囲気がなごやかな雰囲気じゃなくて、物々しい雰囲気なんだよね。


普通だったら自分の国の王女が戻ってきて歓迎ムードだと思うんだけど。


そこが俺が一番に違和感を持った理由だ。


皇女がこの部屋に入った途端に空気が変わったし。


普通だったら行方不明になっていた王女が戻って、喜ばなければいけないところが、気を張り詰めた状態になったから。


俺たちは、しばらく城に滞在することを許された。


そして皇女が戻ったので、今日は宴をするそうなので参加してほしいと言われた。


俺たちはお城で、それぞれに、あてがわれた部屋に入ってゆっくりしていた。


女性たちは7人いるので部屋を2つもらっている。


今回は、イザベラとコリンとロゼッタとパトリシアの4人同じ部屋で。


もう一つが、ソフィアとアリシアとアレクが同じ部屋だ。


そして、男は俺1人なので俺が1人部屋。


宴を開始される時間になったら侍女が呼びに来てくれた。


豪華な夕食がテーブルの上に並べていたが、食べてみると、美味しくなかった。


華やかさの割には、味が死んでいる。


宴の席ではそういう事は言うことではないので、一応、お腹は満たしてはいるが。


宴の席でも保様からお礼を言われた。


そして食事の後、パーティーメンバーの女性7人と俺とセラフィーナ王女が4人部屋に集まっている。


4人部屋なので、9人が入ってしまうと、かなり狭く感じる。


全員がテーブルやベッドに腰掛けるのを待って、俺は話し始める。


「セラフィーナ、聞きたいことがあるんだけど」


「何でしょう」セラフィーナ


「お城の雰囲気はいつもと変わらない?」と俺


「そうですね、そう言われれば以前となんだか違う感じがなんですが。何が違うか分からなくて。」


セラフィーナも、何かが違うと言うことはわかっているけど、何が違うのかと言うところまではわからないので、参考にならない。


「セラフィーナ、今からお城で口にするものは、俺たちがいるところで食べたり飲んだりしてもらえるかな?」


「え、どうしてですか?」


「もしかしたら、お城で毒を盛られたり、寝ているときに刃物で襲われる可能性があるんだ」


「いいかい、セラフィーナ、全員が聞いてて欲しいんだけど、俺の予想が外れればもちろん、問題はないんだけど、予想が外れないで当たれば大変なことが進行していると思う」


俺は続けた


「セラフィーナが皇太女であること、つまり、ゆくゆくは王様になると決まっていること、それを嫌がったセラフィーナが冒険者として旅をしようとしたときに襲われて、誘拐される。」


「そして、旅行途中にセラフィーナが殺されるか、戻れなくするために事件が起きたと思う」


俺はさらに話を続ける


「セラフィーナだけを狙っていたんじゃないかなと思うんだ」


「もちろん、この国まで人身売買組織が暗躍している可能性もあるけど」


「みんなは、どう思う」


1番にアレクが「多分当たってると思う」


ロゼッタが「ご主人様の言う通りじゃ」


パトリシアが、「臭い匂いがプンプンする」と言った。


セラフィーナが、「じゃぁ私が王様を継ぐことに反対しているか別のものを即位させるための誘拐だったんですか?」と少し涙ぐみながら体を震わせた。


横にいたアリシアとソフィアが慰めている。


セラフィーナ王女が落ち着いてきたので、「そんなの許せません」とつよい声で言った。


セラフィーナに人間関係のことを教えてもらう。


セラフィーナが長女で、腹違いの王子が3人いる。


そして王子3人は、今の王妃だ。


つまり現在の王様には、初めの王妃がセラフィーナを産んで、死んだ後、貴族の王妃を新たに迎えて、3人の王子を産んだと言うことだ。


一番、怪しい候補が出てきた。


セラフィーナがいると自分が生んだ王子が王になることができない。


しかし、王妃だけでは動くことは、難しいと思うので、協力する者が複数人いる可能性がある。




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