オズワルド王国 4
俺が今実践的に研究しているのは未来予知
そして透視
普通一般的には未来予知も目で見ているか感じている。
そして透視も目で見ている。
多分この2つは原理は同じ。
だから未来予知を練習しながらどんどん能力を伸ばしていくと、やっと3秒先まで未来がわかるようになった。
しかし、あまり先まで見てしまうと、自分の視野半ばの島で見てしまう可能性もあるので伸ばすのは禁止だ。
例えば、俺が70歳まで生きて、老衰でも死ぬシーンなんか見るのは嫌だ。
それは仲間でも同じだ。
多分一番、長生きするのはアレクとロゼッタだろう!
アレクとロゼッタは神獣なので時間の流れは違う可能性もある。
普通に見たら13歳くらいの女の子と20歳くらいの女性なのに、本当に虎とドラゴンなんだから。
人が死ぬのを見るのは、つらいものだ。
俺の村にいた、兄貴のような存在だったケインは、冒険に行って戻ってこなかった。
死体も戻ってくる事はなく、村に墓はあるけど中には何もない。
人の死体と言うのも魔物にとっては絶好の餌だから。
もし未来予知がその時に使えていて、かなりの先まで見えていたら、多分、俺はケインが行くのを阻止しただろう。
しかし、ケインの死が、俺も冒険者になるきっかけだった。
多分、ケインが生きていれば俺は、今でも村にいたかもわからない。
もしかしたら、今頃はアリシアと結婚して幸せな生活を送りながら田畑を耕していたかもわからない。
人の未来なんて、見ないほうがいい、楽しみがなくなってしまうけど生き残っていくためには必要な手段だと思う。
前世では、俺は魔法士として、あまりにも有名になりすぎていた。
だから、俺を狙ってやってくる奴も大勢いた。
しかし、ときには怪我を負わせなければいけない時もあれば、戦って死に至らしめた時もあった。
そんな人生を送りたくない、前世でも使えなかった未来予知が必要になってくると思う。
ときには残酷なことも必要だと思うが、できるだけそういう事はしたくは無い。
しかし自分の手を汚さずに、済ませられるかというと、そうではない場合もある。
俺はアリシアが誘拐されたときには、全員を殺すつもりでいた。
それをソフィアが止めてくれた。
多分、あの時にソフィアが俺の手を握ってくれなければ……、と思うと強くなってくる。
今の俺があるのもソフィアのおかげだし、イザベラの悪口のおかげだし、コリンの無口のおかげだ。
全員を守るために、次の日も、次の日も、努力をして未来予知を手に入れた。
そして透視の能力も手に入れることができた。
今では未来予知は、10秒先を予知することができるになった。
透視は、100メーターくらい見ることができるし、どのくらいの距離を見るかで範囲を決めることができるようなった。
本当は未来予知は10秒先よりも多い時間を見ることができるけど、見ないようにしている。
だから透視でアリシアがなにをしているか見た事はあるが1回だけで止めた。
どうしてか、と言うと着替えてだからだ。
いくら好きな人でも、プライバシは、あるから。
後は未来予知と透視を、どこで、どう使うか!
早く実践レベルまで上げなければいけない。
発動するのに時間がかかっていては意味がないから。
そのためには、繰り返し、繰り返し練習すること。




