オズワルド王国 3
俺たちはオズワルド王国で宿を決めて、時間があったのでショッピングをして、また宿に戻ってきた。
今から夕食なんだけど、おいしいといいけどなっと思いながら食堂に行く。
食堂に行って全員が待っていると運ばれてきたのは、できたばっかりの料理で、どれもこれも美味しそうだ。
本当に見た目だけではなく食べてもおいしい料理だった。
おいしい料理を食べた後、宿のお風呂ではなくて、いつも行く温泉に全員で行くことにした。
ダイラス連邦の屋敷にある温泉だ。
もう、ずいぶん暗くなっている。
これは星空を見ながら温泉に入ることができるなと思いながら露天に来た。
俺が星空を見ながらの露天に入っている時は、誰も入ってくる事はなかった。
後でアリシアに聞いたら、たまにはクリス1人をゆっくり温泉に付けてあげようとなったらしい。
あとで6人で入ったそうだ。
気の使われるように嬉しいような、嬉しくないような?
俺は全員が温泉から出てくるのを待って、またオズワルド王国の宿に戻ってきた。
今日は対して情報収集もできなかったので、早めに寝ることにした。
しかし俺は、研究するために先ほどいた屋敷の地下3階にある閉じられた部屋に戻ってきた。
前回、見つけた研究ノートを開いていく。
何か参考になるような魔法を書いていないか、研究したりしていないか?
崩れそうになっている研究ノートをゆっくりめくりながら、あるところで手を止めた。
その項目には未来予知と書いてある。
ノートを書いた本人は、研究だけで実際には自分で使う事はできなかったらしい。
未来予知か!
どれぐらいの未来を見ることができるようになるのか。
研究ノートに書いてある未来予知の方法は、単純に俺が使っている遠視と同じ使い方だ。
遠視は、目にも力を集めて遠くを見る魔法だ。
同じように目にも魔力を集めて未来予知ができるみたいだが、ただそれだけではできないみたいだ。
研究ノートを見ながら俺はどうやったら未来予知が可能か考えてみた。
多分、参考になるのは、遠視だと思う。
何か、どこかがやり方が違うんだと思う。
基礎魔法を展開するのは同じことなので、魔法を自分の体にまとわせるようにして濃密にしていく、そして、それを全部ではなくて目だけに集中する。
目だけ集中するとしても、遠くを見えるようになるだけだ。
う〜ん、何が足りないのか?
未来と言うのは、自分の目では見えないもの。
その未来を自分の目で見るか、感じること、主には、人の動きや物の動き、を予知すること。
人がどう動くのか、数秒先でも、どう動くのかわかれば?
例えば人が自分に切り掛かってくるとして、剣が、どのタイミングで、どう動いてくるのか。
相手が放った弓矢が、まっすぐ飛んでくるのか、風の抵抗を受けながら飛んでくるのか。
そういうのが、わかれば未来予知は使えると思う。
遠視は、ただ遠くを見ているだけ。
未来予知は見えないものを見る。
未来を予測する、う〜ん
なんだろ、う〜ん、なんとなくわかりそうな気がするんだけど
別次元?
未来と言うのは、今の次元じゃなくて別次元の事?
しかし、それじゃぁ今いる次元に同じことが起きるとは限らない。
う〜ん、何が必要なんだろう。どうすればいいんだろう?
考えてもわからなかったので、研究ノートをもう一度、見直していく。
そうすると思いついたことがあった。
遠視で見ているときには単純に遠くを見てるだけ。
さらに、その遠くにあるものが未来予知。
しかし目に見えるものではない。
見えるものの先にあるもの、それが未来。
その未来を予知すること、つまり見えるようになること。
なんとなく、こう考えると、わかるように思えた。
なので、遠視の先に、あるものを実践してみることにした。
目に魔力を集めて、遠視の先にあるものをイメージする。
そうすると、見えるのは、いろいろなパターンにぶれてきた。
つまり未来は変化すると言うことだろう。
未来は変化するから直前まではわからない。
それを予測すること。
未来予知の余地と言うのは、あくまでも憶測の範囲だろう。
だからいくつもに分かれている未来を直前に判断すれば良いと言う事。
あとは、その精度を上げていけばいいんじゃないかな?
それは訓練あるのみ!
もう、ずいぶん遅い時間になったけど、研究が波に乗りだしたので、俺はこのまま続けることにした。
大切なのは見えるものを止めないこと。
無限大とは言わないが無限大、先まで見るイメージ。
そこに時間の歪みが生じる。
その時間の歪みが未来予知だ。
それを魔法で実践すればいい。
最大限、魔力を目に集中させ、遠視よりも、さらに先を見るようにイメージする。
と言う事は透視も同じ原理だろう。透視は後でやってみよ。
今は未来予知の方が優先。
何回も練習していくたびに、徐々に1秒先の未来がわかってきた。
これを、さらに続けていけば、多分数秒、先の未来までわかるだろう。
そして物質を透過してしまう透視。これも物質を見るんではなくて、その先にあるものを見るように集中する。
透視は、今、考えたことだからもっと研究をすることができれば壁の向こうのものを見ることもできるようになるだろう。
もう朝になってしまったので、少しは寝ることにしようと、俺は宿に帰った。




