アーロン伯爵領 10
俺は王子と会って説明した後に、自分が泊まっている宿屋に戻ってきた。
その部屋にパーティーメンバー全員がいる。
部屋に転移で戻ってきて、王子と会って説明してきたと言ったが、もう少し証拠を集めてほしいと依頼されたと言って説明した。
などで証拠を集めるために、パーティー全員で会議をする。
相手は伯爵なので、簡単な相手ではない。
いくら王国の王子が来ているとは言え、王子でも相手から殺される事はあるから。
多分まだ、この街には騎士隊が近づいている情報は来ていないはずだ。
証拠を集めること!
パーティーメンバー全員で頭をひねっても、すぐにはアイディアは出てこない。
うーん、どうする?
考えてもわからなかったので、パーティーメンバー全員で街をうろつくことにした。
散策しているような感じで、街をうろつく。
もちろん飲食は一切しない。
たぶん明日になったら、王子と騎士隊は、きてしまう。
それまでに動いて証拠らしい証拠を集めておかないと。
3時間くらい街の中をウロウロしてみたが、アイディアは思い浮かばなかった。
うーんどうしょう
街でうろうろしていても、あまり情報は無いので、宿に帰った。
やはり何か動きがあるのは夜だから。
なので宿に帰って寝ることにした。
アイディアが浮かばない時は寝るに限る。
寝て目が覚めたら夕方を過ぎていた。
異空間魔法で全員分の食事と水を出す。
俺の部屋で、自分の部屋から椅子を持ってきてもらって食事をする。
俺が女性の部屋に行ってもよかったんだが、なんだか散らかしているからと言われた。
なので俺の部屋で食事をする。
食事をしながら、いろいろと話し合ってはいたんだが、いいアイディアはない。
そしてさっぱりするために全員でお風呂に入りに行った。
もちろん男風呂と女風呂に分かれて。
お風呂から部屋に戻ってきて、椅子に座って考え込んでいるとマーカーが動き始めた。
マーカーをつけている伯爵が動き始めたのけど、いいアイディアが浮かばなかったので、俺は瞬間転移で王子が野宿しているところに飛んだ。
王子の横に、また瞬間に俺が現れたためびっくりされたが、2度目だったためそんなに長引かなかった。
王子に俺が来た理由を言って、俺の宿に一度、来てもらった。
俺の部屋には、俺たち2人しかいなかった。
俺がベッドに座り、王子は椅子に腰掛けている。
「それで、説明してもらおうか」と王子が言ったので、どうしても証拠がつかめないと言った。
王子は私が守りますので、現場まで一緒に飛んでくれませんかと頼んでみた。
王子の耳で聞いたことが嘘とは言えないと思いますので。
それも確かに証拠になるはずです。
後は家探しでもして確認をすれば、王子に恥をかかせるような事はないと約束します。
もし、それを反故にすれば、伯爵位を、返上をする覚悟です。
と俺は言ったが王子は、ニヤリとして、アルベルト殿は初めから貴族なんか興味がないだろうが、と言われてしまった。
父上からもいろいろ聞いているし、家族全員でも話しているんだが、貴殿を貴族にしたのは国にとどまってもらうためだ。
貴殿ほど優秀な魔法使いはなく、国家に尽くすものはいない。
私は勝手に思っていることだが、私が毒を盛られて死のうとしているときに夢を見た。
その夢というのが、1度も見たことがないのに、私のベッドの横に貴殿がいたのだ。
その夢だろうと思っていた時間が経過していくと、体が随分楽になってきた。
私は、最初なんて夢を見ていたんだろうと思ったけど、数日後に貴殿と会ったときに思った。
今まで、お礼を言えなかった
貴殿には感謝している
…と王子様はこちらに向かって頭を下げている。
俺の恩人だ。
その言葉と態度を見て、俺はいい国に生まれたと思った。
そして、こちらもなぜか、頭を下げた。
と言うところで雰囲気をぶち壊しになるようなドアが、どんどん叩かれる。
そして、どうぞと言わないのに、扉が開いてパーティーメンバーが入ってきた。
入ってきたはいいんだが、まさかいるとは思わない人がいたので、4人が固まった、そこに王子がいることをにびっくりする。
俺は王子がいるのに、パーティーメンバー4人が無作法に入ってきたことに対して王子に謝る。
そしてパーティーメンバー4人を正式に紹介することになる。
王子にメンバーを紹介します。
と言うと立ち上がって一人ひとりに握手を求めて行った。
普通はしないと思うけど、俺がいるからかなと思った。
全員が緊張しながら王子と握手していた。
あとでイザベラから言われたが、アルベルトって本当に貴族だったんだねと言われた。
以前よりは俺の部屋が広くなったといっても、全員で6人俺の部屋に入ることになるので狭く感じてしまうが王子には我慢してもらう。
全員が椅子に着席したので、説明を始める。
もうすぐ騎士隊が到着すること。
騎士隊が到着する前に何とか情報を集めなきゃいけないけど集まらないから、王子を連れてきたと。
王子が聞いたことや見た事は証拠になる。
王子を疑えば、どういうことになるのか貴族たちは知っていると思う。
しかも次期国王だから。




