アーロン伯爵領 2
あまり女性の部屋に長居するのはよくないので、俺はある程度話を終えたら自分の部屋に戻った。
しかし、ここの部屋は狭いな!
なんだか以前、物置だったんじゃないか?
狭くてもテーブルの小さいやつと椅子があるので、座った位置から見える窓を見ている。
そして何を思ったか、窓を開けてみる。
一応、俺の部屋からでも町並みを見下ろすことができる。
俺の部屋から、下に歩いている人を何も考えずにぼーっとして見ていた。
馬車が行き交ったり、歩いている人も多いが、なんだか、なごやかな感じはしないんだよね。
殺伐としている感じだ。
これが、この街の特徴なのかもわからないけど。
たまには、そういう街があってもいいのかな、と思っていた。
でも なんか変なんだよね。
でも、何が変なのかわからない。
・・・・まぁ、いいか、関係ないし
俺は窓から街並みを見ていたが、夕食の時間になったので食堂に降りていった。
俺が食堂でメンバーを待っていると、4人揃って降りてきた。
食事が始まったが、ここの宿の料理はどうなんだろうと思いながら待っていた。
オーダーした料理が運ばれてきた。
湯気が出ていて、美味しそう。
俺がまずひと口食べてみる。
うっ、口に入れた瞬間、まずい。
俺が、まずそうな顔をしたので、パーティーメンバーは食べようとしていたが、何かを待っている。
俺が今、口の中に入れたものを飲み込んで、口に言わないで手振りで、まずいと言うことを伝える。
それを知っても出されたものは食べないと店主に失礼にあたるので、他のメンバーも恐る恐る食べてみる。
アリシアが、ひと口食べてフォークを置いて、私ちょっと部屋に用事があると言って食堂から出て行った。
そして、ソフィアも、あっ、私もと言って出て行った。
その後に何も言わないでイザベラとコリンも続いて食堂から出て行ってしまった。
後は大量の料理の前に俺だけが残された。
料理を見て、「俺も、用事を思い出した」と言おうとしたときに宿の受付にいた女の子と目があった。
そこで苦笑いをして、おいしいよーと言う手振りをして、冷汗を流しながらお腹いっぱい食べた。
残ったけど、しょうがない、それ以上食べれなかったから。
それにしてもひどいよね女の子たち、俺1人、残して!
部屋に女の子たち4人がいるのはわかっているけど、そこには行かないで俺の部屋に戻った。
部屋に戻ったら、お腹が痛くなってしまった。
俺はヒーリングで自分の体を治した。
あーまずかった。
後で降りて行って、食事は全てキャンセルしておこう。
俺はその晩、しばらくはヒーリングを使っても回復しないくらい気分が悪かった。
ヒーリングの魔法を使っても回復しないものもあると初めて知った。
早く寝た。
翌朝、目が覚めたら治っていた。
窓から差し込む光で目が覚めた。
今日は街に出て、朝、昼、晩とご飯を食べよ、どこかで。
でも、おいしいところがあるのかなぁ?
入ったところでも、同じような目に会うかも わからないと思うと、また冷や汗が出てくる。
思っただけで、気分が悪くなりそうだったので考えないようにした。
前向きに考えて、今日は街に出て散策をしてみる。
買い食いしながら、ショッピングをしてみよう、女の子達のボディーガードと荷物持ち!
女の子4人を先頭に、後ろから俺が、とぼとぼついていく格好になったが、当然、選ぶ権利はなくついていくだけ。
女の子4人もいると、華やかだし明るい雰囲気になる。
時々アリシアが、後ろを振り向いているが、多分、俺が迷子にならないか心配しているんだろう?
ちゃんと、うしろをついていっているよ!
いろんな店を回りながら歩いていると、路地裏で何やら男が2人話をしていた。
1人はお金を持って、もう1人は隠すような感じで白い粉が入った包みを持っている。
お金を持った男が、もう1人の男にお金を渡すと、それと引き換えに白い粉が入った包みをもらったみたいだけど。
なんだろうか?
俺は、2人の男をマーキングしておくことにした。
以前、王族が狙われた時に居酒屋で1人しかマーキングしなかったことが失敗に終わったことがあったので、2人ともマーキングしておく。
そういえばいろいろなところで、建物の片隅に背中を預けてうつろな目を向けている奴がいる。
なんだか危険なことのような気がする。
でも、あんまり そういうことを気にしない方が良いのかもわからない。
後でパーティーメンバーに聞いてみようか!
しばらくすると昼食は食べ歩きでいろいろなものを食べたのでお腹いっぱいになったので、歩き疲れて宿に帰ろうかと言う話になった。
宿の中に入る前に、ちょっと聞きたいことがあるから部屋に行っていい、と女の子たちに聞いたら、承諾をもらったので尋ねてみる。
いちど部屋に戻って、女の子たちの部屋をノックして部屋の中に入れてもらったが、テーブルの上やベッドの上は買ってきたもので締められていた。
洋服、小物が多いみたいだ。
俺は部屋に入ってきて椅子に座って、今日、見たことを話してみる。
そうするとソフィアが、多分 それは麻薬だと思うと言ってきた。
俺も、やっぱり麻薬かなとは思う。
多分俺が感じていた、街の変な感じは麻薬が はびこっているせいかなと思う。
多くの人が、うつろな目をして歩いていたり、酔っ払っているわけでもないのに建物に背中を預けてぼーっとしている感じ。
これじゃぁ自分が住んでいる国も、悪い方向のほうに行ってしまうような気がしたが、原因はなんだろう?
それを調べてみるため、俺たちは2日して、宿を変えた。




