前世よりも上手に生きるために2
よく2人して泥んこになって服を汚して親に怒られていた。
「いいクリス、あの大きな木のところまで競争だからね」
「うん、わかったよアリシア」
アリシアは活発で、髪の毛は腰まで長くて、誰もが美人だと思うような顔立ちで、目がクリクリとした笑顔が可愛い女の子だ。
「アリシア待ってよー」
「クリス、遅いよー」
アリシアに置いていかれないように早く走ってみたが、とても追いつけない。
俺よりもアリシアの方が走るのも早く、木に登るのも上手だった。
お転婆なアリシアだった。
村人たちも俺とアリシアの2人が、遊んでいるのを見ることが多くあり、木の上で木の実を食べたり、話をしているのを目撃したり、近くの川で魚釣りをしていることを見かけていた。。
2人は、住んでいる所も、歳も近いこともあり、その辺に落ちてある棒の切れ持って、剣士の真似をして棒で遊び半分に打ち合っていた。
「クリス、行くわよ」とアリシア
「うん、いいよ」とクリス
バシッ
「いてて」
「もうクリスたら、弱いわね」
いつもアリシアの方が勝っていた
さらに剣士の真似事は続き「アリシア、手が痛いよ、少しは、手加減してよ」
「何いってんのさ、そんなんじゃ、魔物を倒せないわよ、さあ、もう一度、いくわよ」
「わっ」
そう言ってアリシアは、さらに棒の切れ端を持って振りかぶってきた。
アリシアの棒が俺のお腹に当たって、俺は、お腹を抑えて、イテテと言いながら、仰向けに倒れた。
「クリス、だめね〜」
「アリシアの方が強すぎるんだよ」
2人にとっては真剣な勝負なようであっても、遊びの範囲を出るものではなかったけど。
俺たち2人は、本当の剣は無いけど、棒で剣の稽古らしい事をしているばかりではなく、アリシアと近くの川や野山を、よく追いかけっこをしたり、遊んでいた。
「いいクリス、今からあの木まで走って、木の先まで登るのを競争するわよ」
アリシアが一目散に走つて、木の根元まで到着して木に登り始めた。
俺は、まだ、木まで到着していない。
「クリス、早くここまで登っておいでよ」とアリシアが木の上から言った。
俺は木登りが上手くないが、アリシアが待っているところまでは届かなくて、時々、ずり落ちながら、なんとか、上まで登ることができた。
そして別の日に洋服を着たまま2人は川に飛び込んで競争したり、どちらが魚を多くを釣ることができるか競争をすることもあった。
村の近くにある山に登って競争したり木の実を取ったりしていた。
遠くにいくと魔物が出るので、できるだけ、村の近くで遊ぶように言われていた。
アリシアと俺は、いつも、その辺に落ちてある棒の切れで剣術だと思って練習をしていたが、父親が持っているような剣で、戦ってみたいなーと思っていたが、家には父親が時々、狩りをするときに使っている1本の剣しかない。
剣は欲しいなと思っていたが、いくらするかも知らないし、売っている所もしらない。
俺は、家の経済事情が、幼いながらも良くないのは、わかっていたので、なんとなくだけど、どうにかしたいと思っていた。
親の畑を手伝ったり、家で掃除や料理の手伝いをしている事はあったが、どうにかして少しでも親の暮らし方良くしたいと、いつも思っていた。
別の日に畑を手伝っていたら父親から「今日は、俺が畑を手伝ってくれるから、はかどるよ」
俺は、父親と畑仕事をすることが好きだった。
親を楽にしたくても、方法がわからないし。
この世界には、魔物を狩る冒険者がいる。
冒険者は、魔物を狩ることで、お金を稼ぐことが出来る職業だが、もちろん危険は、伴なう。
だから誰もが、なれる職業ではない。
冒険者になるために、魔物の知識と動きの予想と実践訓練等が必要だと言われている。
親を楽にする為には、村にも数人しかいない冒険者になって、親を楽にしたいと、幼いながらも思っていたが簡単なことではないと、いつも思っている。
村にも数人しかいない冒険者がいたが、その中でも、いろいろなことを、よく話してくれる、お兄さんみたいな存在のケインと言う20歳くらいの男性の冒険者がいた。
ケインは、魔物狩りに行かないときには、魔物を討伐したときに話をしてくれたり、棒で稽古をつけてくれる。
本当にケインは優しいし、兄ちゃんみたいな存在だ。
ケインが魔物の話をしてくれる時は目を輝かして聞いていた。
本当に冒険者になって魔物を狩るなんて、面白そうなんだ!
しかし、そんなケインは、ある時、冒険に行って戻ってこなかった……




