自衛官の人事制度
自衛隊の人事を担当する、人事教育局は、自衛官等職員の人事・福利厚生・給与制度・教育等に関する業務を担当しており、巨大官庁である防衛省・自衛隊の人事計画を作成する。その対象となるのは、現役隊員として勤務する期間中の事だけではなく、隊員の採用から退職後の人生設計にまで、関わる事になる。
階級組織である自衛隊は、例年陸海空を合わせて約1万人以上が入隊する。平成24年度の募集でも、大卒以上が対象となる一般幹部候補生(約340人)。高卒が対象となる防衛大学校及び防衛医科大学校学生(約570人)。高卒が対象となる航空学生が(約140人)及び、看護学生が(約70人)
18歳から27歳までが対象となる一般曹候補生(約4400人)。同じく18歳から32歳までが対象となる任期制自衛官(約5200人)等、入り口は様々である。
この内最も割合の高い任期制自衛官は、陸海空でそれぞれ一任期が異なるが、一任期2年長くても4年で一任期が終わる。任期満了者は、自衛隊にそのまま残る事も可能だが、大半の者は三等陸海空曹に昇任試験を受け残るか、士長のままもう一任期過ごす。後は民間企業への斡旋を自衛隊は行っており、そのリクルートで民間企業に就職するのがほとんどだ。
陸上自衛官を自衛官候補生として入隊した時の月給が約12万5千円。3か月間の教育期間を受けた後は、制服組一番下のピラミッドである二等陸海空士になる。月給は15万9500円。となり正式に任官する。任官時には一時金として、17万6000円が支給される。そして、二士として6ヶ月が立つと、一等陸海空士に昇任する。給与は18万円。その1年後には陸海空士長に昇任し、給与は18万7600円になる。と、ここまでは自動昇格。任期満了者の処遇については触れたが、任期満了退職予定自衛官のうち、警察や消防など公務員を目指している者には、約2か月間の「公的部門試験対策講座」が用意されている他、大型特殊自動車・クレーン車・測量士・調理師・ホームヘルパー等の「技能訓練」を行う事になっている。
任期制自衛官制度の狙いは若い健全な隊員を隙間なく埋める事によって、精強さを保つのが狙いである。年間の約5割の任官予定者が、そう遠くない未来に退職を迫られる事になる。大量採用大量退職の昭和のシステムは、令和の御時世には合わない。民間の景気不況や新型コロナウィルスの影響もあり、自衛官の応募者や任官継続を選ぶ隊員は増えるばかりだ。平成23年度(2011年度)は、東日本大震災の影響もあり、採用予定任期制自衛官の定員9347人に対し、応募者数は11万4943人と、単純計算で約12倍の狭き門となっていた。自衛官という仕事に魅力を感じ、憧れの職業に変わったのは、現場の血の滲む努力の賜物であるだろう。とは言え、令和になってからは一転して売り手市場に。採用年齢を32歳まで引き上げたり、給与を見直したりして何とか自衛官を獲得しようとしているのは確かである。




