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防人(さきもり)の戦後  作者: 佐久間五十六


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特科

 陸上自衛隊における特科とは、世界標準で言うところの砲兵である。砲兵が特科と言い回された理由は、歩兵が普通科と言い回されたのと同じ理由である。砲兵の任務は、歩兵を支援する為に、自走砲や一人では扱えない大きな火砲を使って、火力支援する部隊である。

 ミサイルや高性能兵器が多数ある現代においても、砲兵は重要な部隊の一つである。歩兵の火力等たかが知れている。そこを補うのが特科(砲兵)の役割である。より早く、よりスムーズに歩兵を支援するのが、砲兵の使命だ。火力支援の補完的役割。それが特科の存在理由である。

 陸上自衛隊にも素晴らしい火砲は多数ある。およそ人が発射出来る最大限の火砲を使う現代戦でも、更なる能力向上が求められている。勿論、兵器だけがグレードアップしても、それを使う優秀な砲兵がいなければ意味はない。世界各国の陸軍も大なり小なり砲兵を持っている。運用方法は陸上自衛隊と同じだが、米国やロシア等の大国だけではなく、歩兵を補完的に運用する部隊として、砲兵は世界標準となっている。火力に特科した部隊であり、特別な訓練をしている訳では無い。

 あくまで砲兵としての訓練を行っているに過ぎず、戦場では砲兵だけで、戦局を打開するのは不可能である。その事は特科(砲兵)の人間も理解しており、自分達は刺身のツマ(引き立て役)である事を重重理解している。

 逆にどうすれば他の部隊を活かせるかを常に考えている部隊でもある。その訓練を特科(砲兵)には徹底させている。どういう場面で、どんな状況で火砲を使えば良いのか完璧に理解している。それを演習で確認する。その繰り返しだ。いざ実戦になった時に、砲兵は何をしなくてはいけないのか?補完的な存在の彼等は知っている。

 砲兵の存在無くして陸軍を語るな。とはよく言ったものだ。とは言え、ドローンやAI技術が発展した昨今は特科部隊の存在意義は低下しつつある。陸上自衛隊発足時の70年前と現代とでは、テクノロジーのレベルが大きく異なっており、特科部隊の見直しは急務である。もちろん、砲兵(特科)部隊が全くいらなくなったと言う訳では無い。普通科(歩兵)だけでは守備力に欠ける。後方支援の為の砲兵(特科)部隊は不要にはならないだろう。もちろん、時代に合わせた総合的な防衛力を整備する事は国が率先してやるべきであり、特科部隊の見直しもその対象にはなる。ただ、現場の自衛官はそうした政策には関わらず技術の向上だけを考えれば良い。

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