そんな星影さやかな夜
それとはまたべつの夜、彼女のもとへ
一通の《ほしかげ》が届いた。
届いたのは、一編の、
絵物語の中の詩の形をしていたかもしれません。
タイトルは、そんな星影さやかな夜
届いたのは、真夜中3時。
人みな眠る、ころあいです。
でわ。
お読みくださいませ。
君と僕の運命を
みるにつけて
星占いなどあてにならないと
弓矢で射られるように
知らされる
星影さやかな夜
愛の泉はとおくてとおくて
真実よりも美しく透きとおっている
絵物語の架空のよりしろ
君を守ることだけを考えていると
この手にできる僕の幸せさえ
邪魔なだけでまるで要らなく思えて来て
強がりだけど欲しいものはないと
言い放ってみたりして
生きていきたい
なにも持たないことが美しいだなんて
虚構のモラトリアムの
だから心に染み込むささやきなのかもしれない
そんな美しい絵物語を空中に浮かばせて
僕をみて笑っているなんて
たちの悪い君の
嫌われるための冗談のつもり?
だけど僕はただ生きていきたいだけ
僕は君の知っている
幸せも不幸せも
欲望も絶望も
笑い顔も泣き顔も
君がそこにいるからあふれる
君の触れるすべての世界の光も闇も
大切にするためだけに
生きていきたい
そのためだけに
生きていきたいだけ




