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月の湖


その夜、彼女のもとへ

一通の《こころ》が届いた。

届いたのは、一編の、

ものがたりだったのかもしれません。



タイトルは、月の湖


届いたのは、真夜中。


でわ。

お読みくださいませ。





僕のよろこびを

星影さやかな夜

君を待ち人とすることを

変わらない強がりと

おもってくれてもいい

哀しみが美しいなんて

だれの悪い冗談のつもりなのか


いずれたどり着く月面の

あたたかな風吹く湖に

ちいさな声でよろこびを

伝えようとする僕は

その湖畔に咲いた

可愛い真っ白な花を

摘むことはせずに

その光の反射に

慰めてもらうだけだから


そんな悪い冗談を

笑ってほしいだけだから








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