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もう俺以外愛さない  作者: カイザーソゼ
10話 進者往生極楽 退者无間地獄
68/83

10-6

 改造バンは宮殿外苑の駐車場に止まっていた。ゴキブリの群れが飛んできて、窓から車内に飛び込んだ。

 バンは駐車場を出て、最寄りの首都高入口へ向かった。

 車の流れが止まった。フロントガラスに「ただいまテロ警戒に付き 一時的に運転を停止しております。ご了承ください」というメッセージが表示された。

 警察は付近の全ての車を強制停止した。

 バンの後ろから、人型上半身にバイク下半身の白バイロボ二台がやってきた。


 元ヤンは手動運転に切り替えた。彼女の正面にホログラムハンドルが現れた。元ヤンはハンドルを握って、バンを急発進させた。


 バンは左の中央分離帯に乗り上げて、渋滞の真ん中を走った。

 白バイロボが後ろからレーザー拳銃を打ってきた。後部ドアに内張りした防弾ベストが攻撃を防いだ。

 バンは中央分離帯を下りて、道路を右に横切り、地下駐車場入り口へ向かった。白バイロボAが突進してきた。

 バンは下り坂に入った。ロボAの視界から車体が一瞬消えた。

 バンは急ブレーキをかけた。

 ロボAはそのまま突っ込んでいって、バンと追突事故を起こした。ロボAは吹っ飛ばされて壁に激突した。

 バンは急発進で地下駐車場を走った。白バイロボBが猛スピードで付いてきた。

 坂の上に出口が見えてきた。首都高の高架橋が正面を横切っていた。

 バンは坂を駆け上って大ジャンプ、高架橋に着地した。

 白バイロボBも後を追ってジャンプしたが、飛び過ぎて高架橋を飛び越えてしまい、別の高架橋の橋桁に衝突した。

 首都高の車も止まっていた。バンは車体を左に傾けて、道路の左端を片輪走行で走った。

 警察の輸送シャトルが飛んできた。シャトルはバンの前方に降下して、クモ型の六脚戦車一台と、白バイロボ二台を下ろした。

 クモ戦車はビーム砲を打ってきた。バンは車体を戻して急停止した。ビームはバンの数メートル手前に着弾して土埃を上げた。

 白バイロボ二台が接近してきた。バンは群れを放った。

 群れは白バイロボ二台の頭に張り付いて、外部からそのコントロールを奪った。ロボの頭はゴキブリのヘルメットを被ったようになった。


 透明感と村田はハックバイクを操作した。


 二台は急カーブで反転してクモ戦車に突っ込んでいった。

 クモ戦車は小型ミサイルを連射した。透明感機はレーザー二丁拳銃の流し射撃で打ち落とした。

 クモ戦車はビーム砲を発射した。村田機はジャックナイフからの縦一回転でかわした。クモ戦車がもう一発打ってきたが、これは調子に乗ってウィリーからのトリプルアクセルでかわした。

 クモ戦車が六脚ローラーダッシュで突進してきた。村田機は正面から横滑りでクモ戦車の真下に滑り込み、無防備な裏側に肉薄射撃を打ち込んで、裏側から滑り出た。

 クモ戦車はダウンした。透明感機はクモ戦車をジャンプ台にして飛び上がり、輸送シャトルの貨物室に飛び込んだ。

 透明感機は自分の胸を打ち抜いて倒れた。群れは頭から離れて、シャトルの操縦室に向かった。

 コントロールを奪われた輸送シャトルが降りてきた。まず村田機が、そしてバンが貨物室に入った。輸送シャトルはハッチを閉めて飛び去った。


 星美は軍服に着替えて、応接室で午後のワイドショーの生中継に出演していた。

 放送中、星美の携帯が鳴った。星美は謝り、スタジオのキャスターは苦笑いした。

 キャスターは誰からか尋ねた。


「妖怪レモン汁かけ?からです。警視庁副総監の不正の証拠を公表して欲しいと言っています」


 画面上に速報テロップが流れた。


 ―「警視庁でテロ 機動隊と首都高三号線で交戦中」


 スタジオは静まり返った。

 星美は慌てて携帯をタップした。

 部屋中にホログラムモニターが現れた。モニターに副総監個人の資産データや、防犯カメラシステム導入における裏金の流れ等が映し出された。


「はわわ!私のうっかりさん!」


 画面が切り替わって、「しばらくお待ちください」というメッセージが表示された。

 しかし「星美砲」がネットに動画を大量アップした。警察やテレビ局が消しても、すぐにその十倍アップした。

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