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もう俺以外愛さない  作者: カイザーソゼ
8話 サッチウィーブ
54/83

8-7

 味方艦隊は砂漠星の南に展開していた。南に小さな月が、西に大きな月が浮かんでいた。

 旗艦の淡路島空母の甲板に、新型機「トリピタカ」が現れた。

 四つ顔の異形の機体である。上杉謙信の三宝荒神形兜の頭部に、六枚胴の体。肩に「龍」の字が入っている。外付け武装は腰の日本刀のみ。スラスター光は銀色で、背中に銀色の輪光を背負っていた。

 艦隊は全艦ワープして消え去った。


 四つ顔の帯刀機は右手を正面に向けた。その手の平に銀色の輪違い紋が一つ描かれていた。左手は調整不足で使用不能だった。

 帯刀機は右手から飛天ミサイル四発を見越し射撃で打った。

 宇宙にうっすらと、紫色の炎の輪違い紋が四つ浮かび上がった。そこから敵が飛び出すより早く、帯刀機の飛天ミサイルが飛び込んでいって、まだ異空間にいる敵艦隊を撃破した。

 毘沙門機が輪違い紋から飛び出してきた。両足はなくなっていた。

 毘沙門機の全身がオレンジ色に燃え上がった。炎の中から、月より大きい仮面の女神土偶が現れた。

 女神は小さな月を右足で蹴った。右足は砕け散って土と化した。

 まず小さな月が、遅れて土石流が正面から押し寄せてきた。

 帯刀機は右手の白いビームで小月を打ち抜いた。小月にトンネル状の穴が開いた。帯刀機は小月のトンネルに飛び込んだ。

 女神はオレンジ色の炎に包まれて、西の大きな月の裏にワープした。女神は左足を振りかぶって大月を蹴ろうとした。

 小月を貫いて白ビームが打ち出された。白ビームは大月の左外側を擦って位置を右にずらした。

 女神はずれた大月を左足で擦り上げるようにして蹴った。大月は右カーブで飛んでいき、遅れて押し寄せた土石流を蹴散らした。

 女神は砂漠星の裏にワープしてヘディングしようとした。帯刀機は両手を女神に構えた。

 両者は砂漠星を挟んで対峙した。やがて女神はワープして姿を消した。


 孔雀ナルト星の艦隊司令部は静まり返っていた。

 艦隊参謀長は率先して拍手した。周りも釣られて拍手を始めた。やがて会場総立ちの大拍手になった。

 盛大な拍手の中、司令は帯刀から上がってきた報告書を黙って読んでいた。

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