表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう俺以外愛さない  作者: カイザーソゼ
7話 Joy Soldier
47/83

7-7

 島の港の中に、温泉付きの道の駅があった。

 了介と村田は島に戻って、道の駅の地産地消レストランでから揚げチーズカレーを食べた。

 レストランのテレビは夜七時のニュースを流していた。ニュースは空港爆破事件一色だった。


「今日は俺がおごります。の代わりに聞いて欲しい事があるんですけど。本気でですよ?」

「はい」


 帯刀は繊細そうな元ヤンはデリケートに、いつもヘラヘラしている村田は雑に扱っていた。しかし実際は逆で、村田は色々とため込んでしまっていた。


「ジュニアの頃、玉離れが悪いってよく叱られてました。俺、あの頃と何も変わってません。変わっていたら、今日もっと出来たはずなんです。

 機体を信じれば六出せる。じゃあ、そこから更に三積み上げるにはどうすればいんですか?」

「俺が常に三出している前提で聞いていると思うけど」

「一兆億出してます?」


 テレビに課長の顔と、「元防衛省情報局八課長 中村敬容疑者」のテロップが映った。了介は画面を少し見て、また村田に話しかけた。


「前はそれぐらいに思っていたよ。

 雄翔君は一番最初が一番良かったように思う。あの時、楽しかったでしょう?だからむしろ、もっとエゴ剥き出しで動いたらいいよ。帯刀君は俺が説得する」

「マラドーナでいい?」

「君はそのままでいい」

「彼が活躍出来たのは十人がフォローしたからですよ」

「マラドーナは十一人でマラドーナだよ。失敗を怖れず、自分を信じ、仲間を信じる。これが雄翔君の新戦術だ」


 了介と村田は道の駅を出た。二人は駐車場で星美達に出会った。星美は彼らに声をかけた。


「こんばんは。連絡付かないから心配しましたよ」


 了介は携帯の電源を入れた。色々な人から安否を確認するメールやメッセージが入っていた。


「ああ、ごめん……」


 村田が「今日は謝罪セールっすねえ!」とからかった。透明感はとろけるような笑顔を見せた。

 透明感は二人に申し出た。


「今からご飯食べるけど、二人もどうですか?」

「俺らさっきカツカレー食べたんですよ」

「大丈夫だって。二週目行こう!」

「湯葉一枚も食えねえよ!」

 

 村田と透明感は道の駅へ向かった。

 了介は携帯をぼんやり眺めた。元ヤンは彼に一リットル入りポンジュースを手渡して、二人を追った。星美は苦笑いした。

 了介は星美に謝った。


「この事はちゃんとお詫びして、お礼させてください」

「じゃ、一緒に美味しいもの食べて、この件はそれで永久にお終い、でいい?」


 了介は頷き、星美は穏やかに微笑んだ。二人は一緒に道の駅に向かった。


「今日はいっぱいレモンかけていいからね?」


(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ