表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう俺以外愛さない  作者: カイザーソゼ
6話 神を見た夜
40/83

6-7

 味方首都の中心部に、旧朝香宮邸風の首相官邸があった。二階の首相政務室で、逃げ帰った総理、艦隊司令、防衛局長、そして帯刀が向かい合っていた。

 シオジ材の家具で揃えたシンプルな部屋である。一見すると無印良品の家具売り場のようだが、どれも木曽産の美しい木目を備えた高級品だった。

 総理は帯刀と司令の労をねぎらった。


「皆を代表して礼を言わせて欲しい。君達のおかげで多くの命が救われた。本当に素晴らしい活躍だった」


 司令は謙遜した。帯刀は後ろに大人しく控えていた。

 それから、総理は局長に戦争の早期終結を命じた。


「国民は邪悪な敵国に報復を強く望んでいる。秋の衆院選までに結果を出してくれ」


 局長も司令も即答を避けた。

 帯刀は一歩前に進み出て、総理に力強く約束した。


「お任せください。九月までに秋宗大統領を逮捕して、戦争裁判にかけてみせます」


 総理は帯刀の両手を握って頭を下げた。


「ありがとう、ありがとう、君は私の神だ。君が先頭に立ってくれれば、こんな戦争もすぐに終わるだろう……」


 戦争が続いている間、局長は独裁者でいられた。しかし短期決戦になれば、彼は王座を追われる。

 絶頂の瞬間は、同時に転落への始まりでもある。事件は新たな局面を迎えようとしていた。


(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ