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第19話:ダイモン要塞とスッポン料理(後編)

 ダイモン要塞の城主である、騎士カタブンは包囲されていた。


「我々は敵の罠にハマったのか……」

「無念でございます。カタブン団長……」


 蛮族軍に包囲されたカタブンは、周囲を見回し言葉を失っていた。

 そして敵の罠を見抜けなかった部下は、自分たちの失策を詫びている。


「いや、お前たちが恥じる必要はない。まさか敵の総大将……蛮族王がおとりだったとは……」


 カタブンたちダイモン騎士団は蛮族軍の計略に陥っていた。

『蛮族王が少数の護衛だけで要塞の近くを通過していく』

 その極秘情報を得たカタブンたちは賭けに出た。敵護衛の数倍の兵数で討って出て、蛮族王に奇襲を賭けたのだ。


「申し訳ありません、カタブン団長。まさか、あの兵力差で……」

「いや、蛮族王の護衛の蛮兵……奴らは鬼神のようだった……」


 だがカタブンたち罠にハマり返り討ちにあった。

 蛮族軍は自分たちの総大将を囮にして、カタブンたちをおびき寄せたのだ。


「ダイモン要塞の城主のカタブンね? 降伏勧告にきたわ」


 そんな放心状態のダイモン騎士団の前に、蛮族軍から交渉の使者がやってきた。

 元バルカン公国の公女ミリアという少女。華奢きゃしゃな身体つきをしているが、その両眼には鋭さがある。


「我々ダイモン騎士団は、敵に投降などしない」


 失意に落ちていたカタブンは深く呼吸をして、気を引き締める。

 たしかに自分たちは罠にかかり、完全に包囲されていた。


 だが大陸でも有数の堅牢を誇る、ダイモン要塞はまだ健在。

 自分たちが死んでも、残してきた部下たちが無念を晴らしてくれると信じていた。


「残念だけど、そのダイモン要塞も、さっき落ちたわ」

「何だと⁉」


 まさかの少女の言葉に、ガタブは思わず声を荒げる。普段は真面目に騎士であり、か弱い女性に怒声を発しない。

 だが、それほどまでに要塞の陥落の情報に、感情が高ぶっていた。


「ほら見て。要塞ある所から、狼煙のろしが上がっているでしょう?」

 

 少女の指し示すように、自分たちの要塞の方角から狼煙が上がっていた。


「あれは……」

「カタブン様……あの狼煙は我が軍の物ではありません……」


 現実を直視できず絶句する主の代わりに、カタブンの部下が言葉をもらす。

 軍によって狼煙の種類は様々である。

 そして自分たちの見知らぬ狼煙が上がっている事実。それが証明する事実は一つだけである。


「本当に……ダイモン要塞が陥落したのか……?」

「そうよ。ご名答よ」


 カタブンの言葉に少女が答える。

 認めたくない。だが自分たちの要塞が陥落したのは事実であった。


「では、蛮族王の待つ家屋ゲルに行きましょう」

「ああ……」


 こうして失意のままカタブンたち、蛮族王のもとへ向かうのであった。



 ダイモン騎士団と蛮族軍の交渉は終わる。

 

「以上が蛮族王からの条件よ」


 バルカンの公女ミリアは、投降したダイモンたちに簡潔に条件を伝えていた。


「聞いていた蛮族軍とは噂と、まるで違いましたな、カタブン団長」

「ああ、そうだな……」


 蛮族軍の家屋ゲルでは交渉が行われていた。だが交渉と言っても戦いは既に終わっている。


 攻め側の蛮族軍が、野戦において城主であるガタブを捕獲。そして残ったダイモン要塞も、奇襲を受けて陥落していた。

 つまり、この少々は降伏後の条件を、カタブンが了承するかの選択である。


「降伏した後は、自治だけではなく宗教も自由なのか……?」


 失意のカタブンに代わり、副団長がミリアに尋ねる。

 蛮族軍が提示してきた条件を再確認していた。


「ええ、そうよ。納税と軍役の義務はあるけどね」


 蛮族軍に降伏した国には、次のような条件を守る必要がある。


――――◇――――


『決められた徴税を治めれば、今までの自治や宗教も容認。遠征軍への軍役の義務はあるが、民族や男女の差別はなく平等に恩賞を貰える』


――――◇――――


「本当に……こんな好条件があるとは……」


 まさかの好条件に副団長は言葉を失う。

 蛮族軍が提示してきた条件は、この大陸ではあり得ないほど優遇措置である。


「責任者である私には、選択の余地はない。殺せ」


 だがカタブンは覚悟を決めていた。

 城主として預かっていた要塞を失い、今の自分には価値がないと。部下たちのため騎士として、潔く命を散らすことを望んでいた。


「降伏してくれたら、団長である貴方の命も助かるのよ?」

「騎士道とは忠義を貫いて、死ぬことに価値がある」


 ミリアの懐柔的な説得にも、カタブンは首を縦にふらない。

 この騎士は敗戦の責任をとり、死ぬことを望んでいた。


「メシの時間だ」

「ご飯の時間です!」


 そんな重い空気の場に突然、料理が出される。

 黒髪の料理人シェフと、幼い少女が運んできたのだ。


「今日は随分と早いのね、サエキ?」


 まだ早いタイミングでの料理に、ミリアは首をかしげる。

 いつもはもっと交渉の後半に登場していた。


「腹が減っては、重い話し合いは進まない」

「それもそうね」


 だが黒髪の料理人シェフの言うことも一理ある。極度の空腹は感情を荒ぶらせ、思考を鈍くしてしまう。


 それに一向に話を聞こうとしないカタブン。ミリアはそれよりも今日の料理が気になって仕方がなかった。


「それにしても今日の料理は、不思議な形の鍋に入っているのね?」

「これは土鍋どなべという鍋だ」


 料理人サエキが運んできたのは、ミリアが見たこともない素材の鍋であった。

 その説明によると土鍋は、特殊な粘土を焼いて作った鍋だという。


「特に大森林の粘土から作ったこの土鍋は、保温性に優れている」

「ふーん、なるほどね。とにかく食べましょう」


 普段は寡黙なこの黒髪の青年。だが料理のことになると、別人のように説明に長くなる。

 最近では慣れてきた腹ペコなミリアは、話を上手く切り上げていく。


「それにしても……今日の料理も美味しそうな匂いに……中身は何かしら?」


 目の前の土鍋の隙間からは湯気があがり、何とも言えない美味そうな匂いが溢れている。

 ミリアは戦のために朝から何も食べていない。我慢しきれずに土鍋の空気穴を覗き込む。


「今日は岩亀いわがめの“すっぽん鍋”だ」


 そんなミリアに対して、サエキは答える。

 今日の料理の正式名称は“岩亀いわかめの土鍋煮込み”。だが通称は“すっぽん鍋”だと伝える。


「何だと⁉ 馬鹿な! 岩亀だと⁉」


 サエキの料理の説明に、下を向いていたカタブンは反応する。

 死を覚悟したこの男は、本当は料理を口にしないつもりであった。だが聞き流すことができず、思わず声を上げてしまう。


「岩亀は固くて食べられるものではない! 料理人シェフのくせに、そんな知らないのか!?」


 黒髪の料理人に対して、カタブンは反論する。

 何故なら“岩亀”は、このダイモン地方の固有の亀。カタブンも故郷でも慣れ親しんだ亀である。


「もしかしたら私の二つ名に対する嫌味か?」


 堅守を得意とする騎士カタブンは、“岩亀の騎士”として近隣諸国でも有名。

 そしてヤンチャな子どものころは“岩亀カタブン”といあだ名で、近所の悪ガキたちに恐れられていた。


 そんな思いもあり、素人丸出しの料理人シェフに対して意見してしまったのだ。


「たしかに岩亀が食べられるなんて、私も聞いたこともないわ」


 ミリアもカタブンの意見に同意する。公女として彼女は各地の料理に精通している。

 だが、全身が岩のように堅い亀を、食べた者の話は聞いたことはない。


「たしかにこの岩亀は固い。だが調理法で変わる」


 サエキはそう説明しながら、土鍋の蓋を開ける。

 それと同時に、閉じ込められていた湯気と香りが一気に立ち上る。


「うわ……、凄く、いい匂い!」 

「そうですな。濃厚な香りですわ」

「カネン、あんた、いつの間に?」


 いつの間にか席に付いていたカネンも、ミリアの感想に同意する。

 この大商人は食事のタイミングを見計らって、やって来たのだ。


「とにかく食べてみましょう! えーと、百聞ひゃくぶんは……」

「百聞は一見に如かず、だ。この場合は意味が違うが」

「とにかく、食べましょう!」


 黒髪の青年から前に聞いた格言を口にしながら、ミリアは料理をとり分ける。

 淑女であることをアピールするために、自分の分だけではなく全員分の器にとり分ける。


「ミリアはんの分だけ、なんか大盛ですね?」

「うるさいわね、カネン。お替わりもあるから、とにかく食べましょう!」


 全員に料理が行き渡ったことを確認して、ミリアは器を手にとる。

 サエキの説明では器も土鍋と同じ素材であり、手に持ってもあまり熱くはない。 


「それにしても、これは凄いわ……スープまでとろとろね……これ本当に岩亀?」


 土鍋の中の岩亀は、驚くほど柔らかく煮込まれていた。

 肉の部分に弾力はあるが、十分に柔らかい。


「土鍋は保温性に優れた万能な調理器具だ。だから岩亀の料理に向いている」


 サエキの説明によると岩亀と酷似した亀が、彼の故郷にも生息していたという。

 それもあり調理方を知っていたのだ。


「甲羅や骨以外は全て食べられる。甲羅も粉末状にすれば薬になるだろう」


 黒髪の青年の故郷では岩亀は“すっぽん”と呼ばれていた。栄養満点で味も良く、古くから珍重されていたと語る。


「なるほどね。だから調理法を知っていたのね。では、いただくとするわ」


 サエキの説明を聞き流しながら、ミリアは料理に口をつける。

 この青年は料理のことだけは、本当に話が長い。

 早く食べないとせっかくの鍋料理が冷めてしまう。


「うん……あっさりしているけど、濃厚で美味しい……」

「ほんまですわ……鶏肉のスープにも似ていますが、それの何倍も濃厚ですわ」


 ミリアとカネンはスッポン料理に感動していた。

 これまで誰も食べずにいた岩亀。その素晴らしい味に舌鼓をうっている。


「それにスープが凄くとろとろよね、これ?」

「スッポン……岩亀には栄養素が多く含まれている。美肌や健康にも効果がある」

「なんですって、美容に⁉」


 サエキのうんちくを聞き流していたミリアの、目の色が急に変わる。

 蛮族軍にいる彼女も年頃の少女。最近では野外活動が多いため、特に美肌の情報には興味津々であった。


「こっちの“生き血”は興味があれば飲め」

「生き血だと⁉ やはり蛮族共は人を食らい、生き血を飲むのか!?」


 次のサエキの言葉に反応したのは、ダイモンの副団長であった。

 自分たちの身を守るように警戒する。


 何故なら大森林の蛮族といえば、人を誘拐して食すという戒め話があるのだ。


「勘違いするな。これは岩亀の生き血だ。それを葡萄ぶどう酒で割ったもの。滋養強壮で健康に効く」


 そう説明しながらサエキは、一口だけ生き血酒を飲む。

 毒も害がないことを、自らの行動で示しているのだ。


「なんです、滋養強壮ですと⁉ ワシにも一杯……おお、これは飲みやすい!」


 壮年期であり健康に目がないカネンは、我先にと生き血の酒を飲む。

 そして意外とさらりとしたのど越しに感動している。


「岩亀は本当に凄い食材だったのね……」

「そうですな、ミリアはん。これまで食べなかったのが、勿体ないくらですな……」


 ミリアたちはスッポン鍋に満足であった。

 自分たちのこれまでの常識を打ち破る、新たな食材の発見にご満悦である。


「これを取った漁師の話では、岩亀はかなり独特な生き物らしい」


 次の調理を続けながら黒髪の料理人シェフは語る。

 ダイモン要塞からほど近い、川辺にいた老漁師から聞いた話を。先ほどから料理に口をつけてない、騎士カタブンを見つめながら。


「岩亀はその一生を同じ場所で過ごし、かたくなに自分の住処を守る習性があると」

「ああ、そうだ。……岩亀は一生を……同じ場所を……守る……」


 失意のカタブンは思わず、青年の説明に言葉を重ねる。

 その内心で城を失い、生きる価値を見失っている自分の重ねながら。


「だが、そんな岩亀も巣を捨てて、住処を離れる時がある」

「何だと……!?」


 カタブンは思わず顔を上げる。それは自分でも知らない情報であったのだ。


 “岩亀カタブン”と呼ばれていただけに、この騎士は岩亀に対して博学であった。

 だが、そんな男でも知らない情報。

 岩亀は一生を同じ場所で過ごし、守る生き物だと思っていた。だからこそカタブンも自然と憧れていたのだ。


「この岩亀は産卵の時だけ、住処を離れる。滝を越えて、時には岩山を越えて。出来る限り遠くの地で産卵するためだ」

「何だと……この岩亀が滝を……岩を越えて……」


 目の前の器を見つめながらカタブンは言葉を失う。

 岩亀は決して足の速い生き物ではない。不器用であり古臭いと思われていた。


 なのになぜ危険を冒してまで、故郷を捨てて産卵するのか。それがカタブンには理解できずにいた。


「岩亀が住処を離れるのは、次の世代に新しい命を託すため。つまり命を賭けた挑戦だ」

「次の世代のための……挑戦……」


 カタブンはもはや黒髪の青年の言葉に聞き入っていた。

 その一語一句を復唱しながら、自分の周りにいる若い部下たちを見回す。


「頑固だと思われていた岩亀。だが誰よりも挑戦的だったのかもしれないな」


 最後にそう言い残し、黒髪の料理人シェフは漁師から聞いた話を閉じる。

 そして次の料理のために準備に取りかかりる。


「私は……これまで、このダイモンのために頑張ってき……」


 カタブンは口を開く。

 自分のマメだらけの両手を見つめながら、静かにつぶやく。


「民のために……忠義のために……ここまできた……」

 

 カタブンは小さいころから、ダイモンの騎士に憧れて剣を振るってきた。

 そして騎士になってからも変わらない。故郷であるダイモンの地を守るため、古臭い騎士道をひたすら守り通してきた。


「だが私は……自分の殻に閉じこもっていただけ、かもしれない……」


 気がつくとダイモン騎士団と要塞は、大陸でも有数の要所と呼ばれるようになっていた。

 だが同時に、外の世界に挑戦することを諦めていた。守るとだけに執着しすぎていたのだ。


「お前たち……すまない……」


 カタブンは部下たちに頭を下げる。

 若い部下たちに未来を見せてやれなかった。今になりそう気が付き、後悔していたのだ。


「カタブン団長、そんなことを言わないで下さい!」

「そうです。我々は団長に感謝しています!」


 後悔しているカタブンをはげますように、周りの部下たちは拳を握りしめる。

 確かにダイモン騎士団の領地は、それほど広くはない。生活もギリギリであり貧乏騎士団である。


「ダイモンの騎士道……これに憧れて、私たちも剣を振るってきました!」

「金や名声ではない……それが私たちの誇りです!」


 だが古典とも思えるダイモン騎士道。それを彼ら若い騎士たちは誇りにしていた。


「お前たち……誰に似たのか……こうも、頑固者そろいで……」


 言葉を詰まらせながらカタブンは、部下たちを一人ずつ見渡す。

 誰もが使い古されたボロボロの鎧を着ていた。他国に貧乏騎士団と皮肉を言われる訳である。


「そして……いいダイモンの騎士の顔だ……」


 だが騎士たちの顔には信念に溢れている。

 他のどんな立派な騎士団にも負けない、確固たる信念の満ちた笑顔であった。


「岩亀のスッポン鍋。それと雑炊だ」


 そんなカタブンたちに対してである。

 黒髪の料理人シェフが温め直した料理を差し出してきた。


「お前と部下たちの分だ」

「ああ……そうか感謝する……」


 カタブンはそう感謝の言葉を発して、器に手を伸ばす。

 そして、これまで食べたことのない岩亀の料理を口に入れる。


「美味いな……本当に……美味いな……」


 幼い頃から剣一筋。不器用に生きてきたカタブンは、それ以上の賛辞の言葉を知らなかった。

 本当ならもっと秀麗な言葉で、この美味なる料理を褒め称えたい。

 

 だが、それ以外の言葉が出てこないのだ。


「“美味い”にまさる褒め言葉はない、カタブン」

「そうか……黒髪の料理人シェフ……」

「オレの名はサエキだ」

「そうかサエキか。美味いな……本当に……美味いな、サエキ……」


 大粒の涙を流しながらカタブンは、一心不乱に料理を口に運ぶ。

 これまで信じてきた自分の道との決別。

岩亀と呼ばれていた騎士の背中は、まるでそれを現していた。


「我々は団長が選んだ道なら従います……」

「そうです……たとえ地の果てでも団長についていきます!」

「団長の意思は必ず守っていきます!」


 涙を流すダイモンの周りに、部下たちが集まる。尊敬する男の決意を、彼らは感じ取っていた。

 それは階級や金による主従関係ではない。本当に心から敬意を払う男同士の、固い絆の関係。


「ああ……私についてきてくれ」


 騎士カタブンはそんな部下たちの想いに、静かに答えるのであった。








 この日。

 ダイモン騎士団と要塞は全面降伏をする。


 だが無益な戦いを回避したダイモンの地は、これまでないほど繁栄をしていくのである。

 そして岩亀の料理は、いつしか大きな都でも好評を得るようになっていく。








「おい、お前たち。急げ」

「でもカタブン団長。合流の時間までは余裕がありますが?」

「ダイモンの騎士たる者、時間厳守だ」

「相変わらず団長は堅物ですね」

「それがこの団の、いいところだな!」


 『降伏をした国は大森林遠征軍への軍役の義務が生じる』

 

 騎士カタブンは自ら名乗りをあげて、蛮族軍の大遠征に加わる。

 自らの率いるダイモンの騎士団の若い部下たちと共に。


「“岩亀のカタブン”か……」


 その二つ名はこれまで皮肉とて使われてきた。

 だが今は、別の想いを込めてカタブンはつぶやく。


 頑固な性格の岩亀は産卵の時だけ、巣穴を捨てる英断をくだす。未来を若いものに託すために。


「今の私に相応しい……悪くない二つ名だな」


 こうしてカタブンは若い部下たちのために、新たなる挑戦の道を選んだのであった。



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