六話
《はい。五分終了だ。今ので全体の約5%。46人のニンゲンが死んだようだな。ちょっと死にすぎかもしれないけど、支障は無い。続けるぞ。諸君らのもったその端末にダウンロードと表示されているはずだ》
《端末って言い換えることにしたのねぇ》
それな。
てか、俺は無事だったようだ。手にしたアイポッドには"DOWNLOAD"の文字。見ると、アリナのもと俺のスマホとユウのガラケーにも同じような字体で表示されていた。
《ダウンロードが終わればそこに宴の説明が表示されるから、異世界、諸君らにとっての異世界に着くまでに読んでおくといい》
《あと、一つ。父さまが言い忘れていたので言いますが、自分の端末は他人に見せない方がいいですよぉ?所有者以外が端末上のある項目を目にしてしまうと、大爆発しますからぁ♪つまりは、所有者のいないところで他人がその項目を見てしまうとボン!見た人は死んでしまい、宴の参加権を無くした所有者も死にますぅ》
おいおい、それって重要な情報じゃねえかよ。ダウンロードまではまだ時間があるけど、簡単に見せあえねぇ。
「なんか情報量が多いな。疲れてきた」
「俺もだよコウちゃん」
「……ぅ」
「アリナもかぁ。はぁ、なんでこんなことになぁ。て言うか、異世界なんて本当に行くのかよ」
「俺は少しワクワクしてるぜ?」
「ユウはそういう奴だもんな」
ピロリロリーンリン
「お、ダウンロードが終わった。どれどれ?」
"次へ"という文字を押す。スマートフォンではないのでタップができない。まぁそれはユウもガラケーだから同じだが。
それで、ルール説明という項目が出てきた。その内容がこれだ。
ーーーーーールール説明ーーーーーー
君達はこの端末を手にし、宴の参加権を得ました。ここでは宴のルール説明をします。そのルールは至極単純。以下の流れに沿ってそれぞれの行動をしていただくだけです。
①魔王軍と勇者軍に分かれる
②その際様々な役職が配分される
③魔王軍は魔王を、勇者軍は勇者を守りながら相手の軍を殲滅していく
④魔王が死ぬと魔王軍は全滅、勇者が死ぬと勇者軍は全滅する
⑤見事勝つことができた軍は、生き残ったものだけ願いを叶えられる
*願いを使って日本に帰れる
以上の流れに沿って行動してください。
次に存在している役職の中で、公表できるものを発表します。
勇者軍(705人)
・勇者
・王族
・賢者
・騎士
・戦士
・巫女
・調教師
・動物
・連絡係
・奴隷
・カップル
・魔法使い
魔王軍(153人)
・魔王
・側近
・眷属
・参謀
・悪魔
・蟲
・魔兵
・狂人
・呪術師
このような感じになっております。気づいている人もいるでしょうが、基となっているのは地球でも人気の"人狼ゲーム"となっております。いくつか相違もあるでしょうが、ルールと役職をしっかり理解して行動してください。それと、違反行為にも気をつけてください。違反行為が認められた場合、神自らが裁きを下します。
今から到着予定である世界では、ステータスという概念が存在します。自身のステータスは端末により確認ができます。
それではお楽しみの、あなたの役職を発表します。次へ を押してください。
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「なん、だこれ……。本当にゲームとしか思えないぞ。ていうか人数的にやっぱ魔王軍が不利だな」
「こ、コウちゃん、役職確認したか?」
「いや、まだだ。ユウは確認したのか?」
「ああ、騎士だったよ……」
「勇者軍ってことか。俺はどうだろ……」
次へ を押す。すると少しのムービーの後文字が浮かび上がった。
ーー勇者
よりによって、これかよ……。