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転変地異と異世界転生  作者: 檪井青
7/12

生まれました(カエル君編)

かなり、少なめです。


 カエルがかえるんや!!


 さあ、転生だ。


 痛いのも苦しいのも、生きている証。


 嬉しいやないか!!


 がんばれ、われ! もう少しで誕生だ!!


 お・ん おぎゃー!!


 こうしてわいは、転生への第一歩を踏み出した。


 「王妃様、おめでとうございます。立派な男の子ですよ」


 疲れ顔で、上気した麗しい王妃様が、嬉しそうに我が子を受け取ると、そっと頭を撫でて、胸に抱き寄せた。そのベッドの横には、誇らしげに見守る王様がいた。


 「そろそろよろしいでしょうか?」

  

 その言葉に、王妃様はそっと王様に生まれたばかりの我が子を委ねた。


 壊れ物のようにぎくしゃくと受け取った王様は、涙を零し喜んだ。そして、感動が落ち着くと、バルコニーに連れ出し、その胸にしっかりと抱えたまま宣言をした。


 「今!! 跡継ぎであるダニエルが誕生した。この良き日を皆も共に祝ってくれ!!!」


 わぁwwwwww!!   『おめでとうございます!』   『ダニエル王子ばんざーい!!』   『祝え!!乾杯だ!!』  『祝福の歌を!』


 城下では、ダニエル王子の誕生を祝うお祭りがもようされた。

 それは、1月に渡る長いものとなり、いつも以上に活気にあふれた。


 



 うーん。人間というものは不便だ。なんでこないに世話をしてもらわにゃならんのや。カエルには、こんなんなかったぞ!! 

 いらいら 落ち着かない。

 転生したら、彼女にすぐあえるとばかり思っていたんや。カエルことダニエルの気は滅入るばかりだった。

 

 そんな彼を、さらに不快にするものが、沢山のメイドだった。


 誰もかしもが世話をしたがって、いさかいになっていた。


 『ほんま、勘弁してやぁ~』


 このセリフを心の中でどんだけつぶやいたことだろう。


 『これが、彼女だったら嬉しいんやがなぁ~』


 赤ちゃんなのに、笑ったり泣いたりするより、溜息の数の方が多いなんて、だめじゃん・・・


 早くも心が折れそう・・・


 《そんなあなたに、よいお知らせです。私は転生サポート局のリドワンといいます。よろしくお願いします》


 うるる る  こちらこそ、お願いやな。助かりまっせぇ~。


 《何か知りたいことは、ありますか?》


 彼女には、何時会えるんや?


 《時が満ち、恋のシーズンが訪れるころに、めぐり会うことが出来るでしょう》


 それって、どんぐらいや?


 《ざっと、12年ぐらいです》


 そっか、長いなー。


 《長いととるか、短いととるかは、人それぞれでしょう。出会った時に、あまりに甲斐性がないと、恋人になってくれないかもしれませんよ》


 むっ!! それは大変だ!! どうすれば気に入ってもらえるんや? 恋人になってもらうんには、どうすればよいんやぁ?


 《基本、金銭に地位そして容姿・知性・体力(イザという時守ってもらえるか?)ですか? 取りあえず、金銭と地位は、王子様ですのでクリアです。容姿の方も、しっかりチートがついているので、メイドたちを見ても分かるようにめろめろでしょう。後は、知性と体力です。会う時までにしっかり勉強に励み、魔法に剣術・体術を身に着けることができれば、振られることはないかと思います》


 わかった! 会える12年後までに頑張るぜ!!


 こうして、生後1月にもならないのに、サポート天使のリドワンの元、ダニエルの修行がはじまった。


 『本当は、全能チートだから、修行はあまりひつようないのですが、それでは私が退屈です。恋には、障害がつきものですよ』なんて、リドワンのつぶやきは、ダニエルには聞こえていない。それどころか、サポート天使に物凄く感謝をしていた。


 元カエルだけに騙されやすい、ダニエル・ハリケーン・エランであった。

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