ごったがえしの あの世です4 (カエル君編)
綺麗な天使様の手のひらに乗ったまま、不思議な部屋へとやって来た。
そこには、大きな湖があった。もの凄く澄んだ青色。その真ん中に、ハスの葉がで~んとあり、その上に家が建っていた。田舎の木造平屋。どんだけ大きいんや!この葉っぱ。おまけに、当然ながら水の上に浮いてんやぞ!!
ここは、どこや!?
わいは、どうなるんや!?
そんな、慌てているわいをおいて、すたすたと家の中に入る天使様・・・。
家の中は、なぜか生前迷い込んだ時に見た、和式の畳の部屋そのものだった。
「この部屋のイメージは、入った生き物の生前の記憶をもとに構成されるようになっています」
なるほど・・・。
そういえば、こんなのを想像したことあったかも。
うなずくしかないやないか。
座布団の上にちょこんと降ろされ、目の前にはなんやらけったいなものがういてやる。
「先ほどのカプセルをよろしですか?」
「OK!いいさかい、さっさとはじめてくれや」
カプセルを受け取った天使様は、なんやようわからんやつにカプセルの中身を取り出して入れた。すると、浮いた変なものに文字が現れた。
カエルだから字は読めへんが、わいのことが書いてあるんやとさっせられた。
ぱんぱかぱーん!! ぱぱぱぱ・ぱんぱかぱーん!!
辺りいっぱい目も眩む光とともに、 物凄い音が響きわたった。
----カエルなだけに文字通りひっくりカエルーーーー
変なダジャレをいうのはだれじゃ。なんて、言ってしまう。
「おめでとうございます」
いきなり言われても、トンチンカン。
「これから、生前のポイントによって転生先等をきめるのですが、大当たりのカエル様は、それに関係なく希望の全てを叶えられます」
「ほんまかいな!?」
嘘やろ 嘘やろ? 冗談だなんてかましたら、わい許せへんで!!
「ほんまです」
真面目な顔をして肯定してもろた。
やった!! らっきー!!
「では、希望をお願いします」
ちょっと、はずかしいいなぁ~。顔、ほてっちゃうやないか!!
言うぞー 言うぞー!! だめやないか わては意気地なしや!!
どうしても言えへん!!!!!!!!!
「別に、口に出さなくても考えたことはこちらに分かるようになっていますからだいじょうぶですよ」
びぎゃーーー!! 死んだ・・・・・・
それちっとも大丈夫であらへん・・・・・・・・
「希望を早く決めないと、コンピューターが勝手に決めてしまいますよ。この度の死者は本当に多いですから・・・」
待って、それは殺生や。そっ・その、さっきの女の人や。
「あなたを肩に乗せていた方ですか?」
「そうや、彼女と同じ世界に転生したいんや。出来たら、お互いの記憶が残っているのが希望や!!」
「了解しました。お調べします」
ピピピピ ぴぴぴぴ
鳥の柔らかいさえずりのような音がする。ああなんか和む・・・
「わかりました。彼女の名前は、高橋 水奈。転生先は・・・おや? 珍しいですね、『ドモヴォーイ』です。種族は、人族です」
「では、同じで」
「どのような家に生まれたいですか? あと、容姿はどうしますか?」
うーん、どんな家がいいかわかんないや。わて、カエルやもんなぁ~。
「そうですね。お姫様には、白馬の王子様が不可欠です。それに、カエルの王子様の話が地球にはあります」
王子? よくわからへんが、おすすめのようなのでそれでいっか。
「お姫様を迎えに行くのに不細工では嫌われます。容姿は、イケメンにしましょう」
おまかせします・・・
「魔法属性とスキルなどはどうされますか?」
「彼女を守れるようになりたいんや。だから、くれるってもんは全部くれや!!」
「畏まりました」
不思議な画面に何やら書かれていたが、わいにはわからへん。なんで兎に角、みなYESだ。
そして、真っ白な世界へーーーーー
おんぎゃー!!
無事、転生完了。彼女には何時会えるかな?
わいの彼女になってくれるかなぁ~。
~にへら
そう、水奈の記憶処理のバグは、カエル君の希望によるものでした。