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転変地異と異世界転生  作者: 檪井青
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ごったがえしの あの世です2

 カプセルを取り出すと、横に無表情の天使様が立っていた。

  

 「私について来て下さい」

  

 「はぁ・・・」なんだか見た目恐そうな天使様に言われるまま、ふわふわした雲のようなところを、きょろきょろしながらついて行く。こんな経験なかなかできるものじゃないが、この天使様の沈黙が非情に辛い。


 どれくらい歩いただろう、目の前に沢山のドアが見えてくる。

 この扉のどれかに、さっきのカエルもいるのだろうか?


 「では、こちらの部屋でお話を聞きます」


 天使様が、扉の一つを開けて入るように促す。


 何も考えず、部屋に入った。


 ぶぎゃぎゃな ぱらぺれ


 なんか変な、声にならない悲鳴をあげてしまった。


 部屋の中は、ジャングルでした。ジャングルの中になぜか机があって、椅子が二つ。1つは、天使様でもう1つは私でしょう。そして、なぜか机の上にはパソコンがありました。いや、いいんですが・・・ミスマッチ。でも、それはまだいいんです。なぜふりふりエプロンのメイド姿のワニがお盆を持って立っているの??? 私は、爬虫類系は苦手なの!!


 「どうかしましたか?」

 「い・いえ、なんでもありません」

 根性で座ると、メイド姿のワニさんがどこかに行かれました。私は、ほっとして天使様のほうを向きました。


 くすっ


 なんだか笑われた気がします。でも気のせいでしょう。あの能面が笑うとは思えません。


 「カプセルを、よろしいですか?」


 言われるまま、カプセルを手渡すと、天使様は徐に開けカードを取り出してパソコンに入れました。すると目の前にデーターが浮かび上がりました。


 出てきたのは、水奈のプロフィール。名前から生い立ちまで物凄く詳しく書かれていた。自分でもこんなことあったっけというものまで詳細に明記されていて、羞恥の海で溺れそうです。


 「えー、これから転生先等を話し合って決めていきたいと思います」


 ようやく本題ですね。ということは、少なくともポイントはマイナスではなくて地獄に連れていかれなくて済むようでほっとしました。


 「ポイントは・・・一・十・百・千・・・えっ1万?ちょっと待って下さい。確認します」


 何やら、かたかたと調べ出したので静かにまちます・・・・、「えっ?」さっき居たふりふりエプロンのワニさんが、お盆にコーヒーを載せて持ってきました。


 はらほれひれ~


 「あ・り・がとう・ご・ごさい・ます」


 恐いですが、天使様はまだ調べ中。仕方なくコーヒーをいただきました。香がとってもいいのに驚き、一口飲んでその美味しさに驚愕。気が付けば「おかわりください」とあれほど苦手なワニさんにお願いしていました。


 「ありがとうございます。すぐ、持ってきますね」


 なんだかほんのりほっぺが赤かったような気がします。


 くすっ  

 

 そして、天使様に笑われました。今度はしっかり目撃しました。能面天使様だと思っていましたが、違ったようです。でも、一瞬でした。残念!


 「どうぞ」


 「ありがとうございます」

 すんなり言えた自分に驚きです。ワニさんのイメージ回復です。


 「アニータのコーヒーは、美味しいですが、ポイントの検索が終了したので、続きを再開します」


 アニータ・・・?あっ、ワニさんの名前ね。


 「まず、ポイントは1万で、間違いありません。どうやら神様の気まぐれボーナスだったようです」


 首を傾げて考える。


 「?そんなこと、よくあるのですか?」


 「いえ、ありません」


 「そうなんですか?」


 「そうです。今回の地球の転変地異や大災害で多くの命が亡くなりました。その方々のポイントは、みな似通って100からよくいって340ぐらいです。その為、転生先かどうしても決まってしまいます。でも、一度に沢山の方々が同じ世界に転生したのでは、世界のバランスが崩れてしまいます。なので、転生先が多岐に渡り安くする為の緊急処置として、神様が適当にボーナスを付けたようです」


 なるほど なるほど 

 あれ?


 「そんなことばらしてもいいのですか?」


 「大丈夫です。転生する時記憶をリセっ・・・ト・・・、まってください」


 能面天使様が、顔を青くしてパソコン画面をがん見してます。

 かたかた かたかた 手がキーをたたき、止まったと思ったら溜息1つ。


 「はぁ、困りました」


 「どうかしましたか?」


 「高橋水奈様の記憶をリセットできません」

 

 思わず椅子から立ち上がり、そのひょうしに椅子がガタンと倒れる。


 「えーーーー!!!」


 「神様がボーナスポイントを付けた時にバグが起きたようです。取りあえずですが、先に転生先等の方を決めさせてもらって、記憶は後でどうにかならないかやってみます」


 取りあえず落ち着こうと椅子に座り直すと、コーヒーを一口飲んで深呼吸をした。


 「わかりました」


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