プロローグ
寄ってらっしゃい 見てらっしゃい
ささ さあ 異世界転生のお話だ!!
ーーー はじまり はじまり ーーー
その日、いつもと変わらない生活を、誰もがおくっていた
「だるいな~。 仕事休みたい・・・・・・」
なんて、つぶやきながら駅のホームの階段を上っていた、高橋 水奈40歳。
今だ独身で、不景気まっただ中での就職活動。そのため、散々だった。なんとか見付けたのは、契約社員という不安定で給料も少ない、将来まっ暗な人生をおくっていた。
ハーレークイーン小説みたいなのに憧れていたころもあったが、実際はパパラッチやストーカーで大変そうだなと、現実感じて溜息ついてしまうぐらい疲れている。いっそうのこと、神隠しで異世界にでも行ってほのぼの人生おくりたい・・・
なんて妄想しながら改札口でカードタッチしていた時にそれはおこった。
軽くグラグラっと揺れたかと思うと、グワン ぐわん ガランがらん大きく揺れ、周りの人も誰1人立っていることができなくなった。そして、辺りは照明がちかちかした後すぐに消えて真っ暗になった。
でも、まだみんな冷静にいられた。1人ではなかったし、大きな怪我をした人もいなかったからだ。そんなに大きな地震で自分がどうにかなると思いはしない。
ーーーーーーーーーーーーー だが、それは甘い考えだったーーーーーーーーーーーーー
がらがら ドスーーーン!!!!!!
ベキベキ ゴーーーーーーーーーーーー
突如響く音 悲鳴 呻き声
水奈の上にも何かが落ちてきた頭に直撃した。
ああ、自分は死んだんだと なぜか ほっとする。生きていても不安ばかりの人生、でも自殺も嫌でだらだらと無駄に時を過ごす。そんな自分が嫌いだった。
両親は、これからどうなるのかな? 少しだけ心配したが、職場での肩たたきやいじめには本当に疲れてしまっていた。今の政治家はみんなあてになどできない。老後生活なんて不安だらけの世の中なんか、生きていてもいいことなんかなさそうだ。
死んだらやっぱり、あの世に行くのかな・・・?
三途の川って大きいのかな?
美味しい食べ物はあるかな?
お金なくて生活苦しいから、あまくておいしい物も買えなかったんだよね・・・