あの子へ連絡
そんな事を考えつつも、どうやら俺のアジトらしき場所の前について
ユリオスが入り口のドアを開けると、メイドのNPCがいてお帰りなさい
ませとのお迎えだ。アジトの中を見渡すと、俺が集めた家具らしき
物やベットも置いてある。部屋のレイアウトもどことなく懐かしい
気がする。テレビは・・・無いか。どうやらここは俺達のアジトで
間違いないらしい。
「ところで、ミムラさん結局昨日はどこにいたんですか?」
「え、どこってうたおうしまだけど」
「ミムラ、初心者エリアにいたの?何で?」
俺が何しようとどこにいようと勝手だと思うのだが、こいつらは俺の
動向が何故かさっきから気になるらしく答えてやる事にした。
俺がゲーム世界に来ていることを喋ろうとするとまた喋れない。
まぁ喋ったところで、頭がいかれてる奴としか思われないのは間違い
ないのだが、なんだこれ。
「あ、う、あ、いや、このゲームの初心者がいて、その人の相手して
いたんだよ」
「ふーん」
聞き流すなら、最初から聞くなと思うが
「初心者さんですか。珍しいですね」
ユリオスは興味があるらしい。
「まーな。まぁちょっと色々教えて、用事があるからと言ってログアウト
したけどな。面白いからまた来るとかは言ってたけど」
「チャンスよこれは!」
何に対してチャンスとは言ってないが、多様なネットゲームタイトルが
次々に出るせいか、別のゲームに移ったやつらも多く、このギルドも段々と
その影響を受け人が減ってきているのである。
その補填として、強引に初心者をこのギルドに加入させようとしている
計画を企てているのは長い付き合いのせいでわかる。
俺はそれをわかった上で質問をした。
「何がチャンスなんだよ」
「その初心者連れて来なさい。ギルトに入れるわよ」
ギルトに勧誘するのではなく少女の拒否権が無い拉致監禁計画に
近い事を何やら発言しているが、まぁでもいつログインして連絡が
来るかわからないしな。
「連絡取ればいいじゃないの」
いやだから、まず今いるかどうかわかんねーって言ってるだろ。
日本語通じないのか。
「ごちゃごちゃ言わないで今、確認しなさいよ」
拒否するほうが面倒なことになるのは経験上理解しているので
俺はしぶしぶ少女のログイン状況を確認するのだった。えーと
どうするんだっけ。まだ、システムの勝手がイマイチわからなく
調べるのに時間がかかっていると待つのに耐え切れなく無ったの
だろうか、
「いるの!いないの!どっち?」
こいつに急かされると、無性に腹が立つのだが、黙って確認を
進めているとどうやらログインしているようだ。
「早く!」
連絡待ちだったのに、こちらから連絡するのもどうかなと思いながら、
「あー、あー、昨日お話したミムラですけど、わかりますか?」
数秒の時間が立ち
「あ、ミムラーさんこんにちはー。昨日は有り難うございましたぁ」






