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ニートの俺がニートを救えるはずがない  作者: あくちゃん
新規者を引退に持ち込めないはずはない
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煩悩の塔

「まぁカッカするなよ。わかったわかった。じゃこうしよう。100人

2度とログインしないように出来次第、2択でこの世界に残るか、それとも

記憶ごと無かったことにして俺の力で時間巻き戻してお前の汚い布団の中に

戻してやるからそれでいいだろ?」


こいつは何なんだろう。時間を巻き戻すとかこの世界に残してやる

とか、色々わけがわからない。おまけにこいつの倫理観も破綻を

帰している。道徳の授業ちゃんと受けてたのか?このアホは神様の

つもりか。バカじゃないのか。


「え、お前よくわかったな。俺神様なんだよ。神様っていうか、担当が

ネットゲームの神様だけどな。まぁ最近出来た部署でな。

マニュアルがないからもう大変で・・・あ、ちょっと携帯なってるから

また後で連絡する。じゃな!・・・あ、もしもし、ママ~。今日のご飯?

オムライスがいいな!うんうん。え、仕事?いやそれがね、変なやつが

今いちゃもんつけてきてさ・・・」


おい、ちょっと待てと言っても返事が無くネットゲームの神様って

とこから色々質問をぶつけてやりたいが時既に遅いようだ。神様にも

家族がいるのかわからないが、おそらく生みの親であろう母親を

ママと言うマザコン気質な神様は、罪もない人間を悪者に仕立てあげ

イチャモンつけてきたって話は、どうせ俺のことを話しているに間違い

ないだろう。ろくでもねぇ。


とりあえず、帰れない以上はここに残るしかなく、ろくにゲーム

システムがどうなっているのかも聞けなかった俺は自分なりに

この世界の事を調べることにした。

どうやら、マザコンが言ったようにLVはゲームデータのままらしい。

必死で揃えた装備もそのままだ。ゲーム通貨のアホナもあるし

生活に困るようなことは無いだろう。

また、21世紀中に開発されるであろう某超次元ポケットみたいな

ものがあり物の大小関係無しに、いつでもアイテムを引き出すことが

可能なようだ。リアルでもほしいくらいだなこれ。それに、何故か一度も

武器を扱ったことにも無いのに関わらず、自由自在に武器を振り回せるようだ。

少女がぶんぶん剣を振り回していたのもこのせいなのだろう。

モンスター狩りを専門とした真性の狩り厨房である俺は、試し切りで

切ったスライムに若干楽しさを覚えたのは内密にしておこう。

帰りたいと言っていたのにも関わらず、色々調べると面白いことも多く、ただ

バカ神の前ではそんな素振りは見せないようにとバカ神以外の神様に誓って

夜もすっかり暮れたようで、今日見るはずのアニメの続きがみたいなと思い

ながら、ベットとランプ以外何も置いていない歌おう島の宿を借りて床についた

のであった。あぁ疲れた。


「ミムラ!ミムラいる?ボスいるんだけど!」


何だ煩いな。窓越しに光が指していたところを見ると、もう朝か。ぐっすり眠り

たかったのに、いきなり頼んでもいないモーニングコールがきやがった。

騒がしいなこの世界は。えーっと、昨日調べた会話システムから探知する限りは

俺がネットゲームの中で運営していたギルド会話システムから発信されている

ようで、発信先は誰だろう。まぁそもそも俺の事呼び捨てする奴はあいつしか

いないのだが、この世界にもあいつはいるのかよ。


「いるけど、なんだよ」


「いたの?ログインしても昨日から返事ないし、どうしてたの。どうせ寝て

いたんでしょ。いいからボス早くきてもらえる?」


ギルド設立時しばらくしてからこいつとずっと一緒にいるわけだが、俺が

ギルドの代表にも関わらず、何故か上から目線でずっと尻に引かれている

状態なのだ。俺のほうが立場上偉いのに、こいつに言い返さないのは

同期は直ぐに退職願いをだして去っていったが、高校卒業して3年辞めるまで

理不尽バカ上司と付き合ってきた俺なもんだから、何言われても耐える

ドMのステータスを身につけたのが一番の理由だろう。で、なんだって?


「煩悩の塔の5階よ!早く!」


煩悩の塔と呼ばれるこのネットゲームでは割りと歴史のある、言うまでもなく

108階まである塔に、今から移動をしないといけないんだが、いつもなら

言われるがままその場所に向かう俺。ただ、今はその限りではない。

塔までどうやって行ったらいいんだ。


いいタイミングでいつもマザコンが現れるのだが、今はその時ではないようで

自力で調べるしかなく、よく使っていたワープ出来るであろう手持ちのゲーム

アイテムをポケットから探し使ってみることにした。

アイテムを使ってみると突然目の前が暗転し、暗転したかと思ったらもう違う

ところにきていた。見渡す限り入浴中の小学生の風呂場ではないようで

間違ってない限りは、おそらくここは煩悩の塔なのであろう。便利だなこれ。


有名なサッカー選手はフィールド上に立っていたとしても、まるでフィールドの

上から覗いているような鷹の目のような感覚を持つものが世の中にはゴロゴロ

いるらしい。ただ、残念ながら俺はその類ではなく、塔についたはものを方向感覚

が無い俺は半分迷路になっている薄暗い塔の中をただ平面上にうろうろと徘徊しているのであった。


「遅いわね!ミムラ今どこなの?」


例え、どんなに早く来たとしても早いわねと今まで言われた記憶が無く、あった

瞬間に罵倒されるのだが、さすがに遅いのは俺でも自覚がある。そもそも、雑魚で

あるスライムを斬ったくらいでろくな実戦経験も無い俺が、いきなりボスと

対峙するはめになるのか。今更ながら、そう考えつつも


「今、いってるから待っててくれ」


「もう、しょうがないわね。早くしなさいよ!」


煩く怒鳴ってくる姑並の声のデカさに音量調整出来ないのかなと思いつつも

2、3度会話を交わしながら、途中塔の低層なせいもあり、こちらから斬り

かからない限りは襲ってこない弱そうなモンスターを素通りしつつも

2階、3階と階段を段々と小走りであがっていくのであった。

やっとのおもいでついたのが、割りとかけ足で走ったにもかかわらず

全く疲れていない。俺、こんな体力あったっけな。

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