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ニートの俺がニートを救えるはずがない  作者: あくちゃん
新規者を引退に持ち込めないはずはない
15/19

俺の立場がない

「あら、結局この子戻ってきたんじゃないの。それに何この人。カッコいいわね」


かっこ良くはあるけど、中身が残念だからお前と同じだなとも言えずに


「お前いつ来たんだよ」


「いつって今来たのよ。悪いの?」


今来たのはそうなんだろうが、そういう事を聞いているわけではなく

何でこの場所にタイミングよく来たのか聞いているのだが。それに

この挑戦的な態度はいつ何時であろうとも変わらない。どこかの国の

大統領の前でも例え地球外生命体にあったとしても、このような態度を

とるんだろうなと思いつつも


「あ、ヒサヒさんこんにちはぁ。こちらはたかっちですぅ」


「あら、あおばちゃんこんにちは。結局こっちに来たのね。やっぱり

私の思った通りだったわね。あなたは来ると思ってわ」


昨日別れ際のほんの少し話しただけで、この子の何がわかるんだろうと

思いながら黙っていると


「ところでこの人だれ?あなたのお兄さん?」


女の勘という事なのだろうか。俺は分からなかったのに、ヒサヒは何故

見抜けたのか不思議なのだが、変なとこ鋭いヒサヒは二人が兄弟であると

直感的にわかるとでもいうのだろうか。軽く会釈するたかっちは、どこかの

国の王子様がお忍びで町を徘徊しているような様だが


「あ、ちーす。たかっちっす。あおばの兄っす」


この軽さは相変わらずのようだ。


「私はヒサヒよ。彼氏でも無さそうな雰囲気だったしそうだと思ったわ。

ところで、お兄さんカッコいいわね。どっかのバカとは大違いだわ」


どっかのバカが誰なのかはあえて指摘せずともいいだろう。ただし

お前のほうがバカだけどな。


「とりあえず、二人共ギルド入ったから仲良くしてやってくれ。それに今から

初心者クエストやるんだよ。挨拶はすんだんだから、俺が教えるからお前は

狩りでも行ってろ」


「なによその言い草。私がいると邪魔だとでも言うの?失礼極まりないわね」


邪魔だから本心そのまま言ったのだが、天邪鬼なヒサヒには逆効果で有る事に

気づき手伝ってくれとでも言ったほうが、忙しいから任せるとでも言われたかも

知れないと後悔をしながら


「じゃ、とりあえず私に着いて来て」


「は~い」


素直な少女は、ヒサヒの後ろをはいはいと小走りで着いて行くが

二人連れ添って歩く姿はまるで仲の良い姉妹のように見える。

外から見ると微笑ましい絵柄だ。という事で、急に飛び入り

参加してきたやつもいるのだが、GKTからクエストモンスターの

出てくる場所まで移動をする事になり、道中高い建築施工物を

見上げながら感動している兄弟達がいた。まるで田舎から都会に

出てきた田舎者だ。俺も初めはそうしたけどな。


そうこうしている内に、GKTの明かりから離れたところで

所定の場所についた俺たち。もはや、俺が先導する事も無く

ずかずかとヒサヒが勝手に先導しているわけだから

逆に俺はいらない子みたいになっているのだが気にせずに


「よし着いたわね。じゃここのモンスター倒すのよ。二人共バシバシやって頂戴」


もうちょっと詳しく教えないとわからないだろうに、倒せの説明で済ませるなよ。


「煩いわねあんた。色々細かくいうと混乱しちゃうでしょ。

ごちゃごちゃ初めから教えないほうがいいのよ」


クエストを受けるに当たって、細かい説明もしないといけないのだが

ヒサヒのいう事も一理あるから、まぁそうだなと言い返すのも止めようと

思っていると


「やーー!たぁー」


もう元気にモンスターと叩いている少女なのであった。水を得た魚。

まるで、3日間雨で家から出られなく、やっと晴れになってお母さんに

公園の砂場に連れて来られてはしゃいでいる幼児のようだ。うん、可愛い。


「こいつら倒せばいいんすかね」


そういえばこいつも居たなと思いながら、そうですと生返事をして

モンスターを退治する兄弟なのであった。


「何かアイテムもらっちゃいましたぁ」


あおばちゃんがクエストアイテムの小さい結晶らしき物体を大事そうに

両手で持ちながらそれをヒサヒに見せると


「そうそれよ。それを100個集めるのよ」


「えぇ、100個ですかぁ」

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