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ニートの俺がニートを救えるはずがない  作者: あくちゃん
新規者を引退に持ち込めないはずはない
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初心者クエスト

「兄ですぅ」


何、兄だと!?


「あぁあこれはこれはあおばさんのお兄様でしたか。どうりで、かっこいい

お兄さんですね。いやぁ、一目見てそうなんじゃないかなって思っていました」


手のひら返しとは正にこういう事を言うようで、客先で上っ面だけはいい

元上司と同じことをしている俺。


「いやーこいつ、一人にすると色々と危ないんでー、俺もこっちきたんすよー」


それはわかる。ほっとけないしなこの子。


「まぁそれでーミムラーさんにお世話なったとかでー、俺も挨拶しとかない

とーって思ったんすよー」


こいつも俺のことをミムラーと呼ぶのかと気にしつつも


「それはわざわざご丁寧に挨拶なんてそんな。わたくしめ如きに滅相もないです。

いやもう本当、しっかりとしたお兄さんで何よりです」


よくもまぁ、我ながらペラペラとおべっかを使えるものだと思いながら

お兄さんにひたすら媚を売りまくる媚ゲー真っ最中の俺なのだが

結局は俺も上司と同類なのか。


「つー事でー、せっかく知り合ったんでー、自分とあおば、ギルドに入れて

貰えないっすかねー」


人に物を頼む態度では無いとわかりつつも


「それはもう歓迎しますよ。いやもうホント、入って下さい」


という事で、一人余計な奴がついてきたものを、当初の拉致計画ではなく

本人達の自由意志の元に、我がギルドに仲間が増えたのであった。


「ところでお兄さんはレベルいくつなんですかね」


貧弱な装備を身につけているところを見ると、初心者レベルなのは見受けられる。

強いのは俺だからイニシアチブは頂きだなと思いながら


「いやーまだレベル5っすよ」


レベル5か。ゴミだな。


「訓練場を出たばかりなんですね。あおばちゃんもまだレベル5かな?」


「そーですぅ」


何回かログインしていたはずなのに、狩りもせずパンばっかり食べていたの

だろうか未だにモンスター狩りをしていない事を察した俺は


「まぁとりあえず、今は初心者さんでも割りと早くレベリングできる

クエストがありますので、それからやってみましょうか」


という事で、クエスト受注に向かわせるために、このしまから出ないと

いけないことを二人に伝え、ワープサービスを行ってくれる所定の

NPCの場所まで案内をし、ゴールドナイトタウンに移動をするのであった。


ちなみに、ゴールドナイトタウンは、通称GKTジーケーティーと呼ばれ

NPCの成金共が集まる町で、その町並みは趣味が悪い建築物がズラズラと

並んでおり、金閣寺も真っ青な金でのみ作られた豪邸がいつくもあるのである。

実際目の辺りにすると、あまりに眩しすぎて住みにくいという印象だが

家事になっても焼けることはないので実用的と言えば実用的なのだろう。


町についた二人はあたりを見渡し、「やべぇーっす」「わぁ」などど

言っており感動しているようだが、ゲームで何度もこの場所に来ているので

俺的には感動も何もない。


所定のクエスト受注を行ってくれるNPCの目の前に移動し


「このNPCに話しかけて頂いていいですかね」


「わかりましたぁ」


「なんすかこれ、何かーモンスターから出てくるアイテム渡せって

言われたっすよ」


少女もそうだが、お兄さんも何の疑問も持たず割りと素直に従ってくれるので

やりやすい。ヒサヒもこれくらい素直だったらいいのに。


「なによ、あんた私のいないところでまた悪口言ってたの?」


うぉ、いきなりヒサヒが後ろから現れやがった。地獄耳かこいつは。

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