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ニートの俺がニートを救えるはずがない  作者: あくちゃん
新規者を引退に持ち込めないはずはない
11/19

別れなんて突然

「はじめまして、私はユリオスを申します。私はミムラさんの運営するギルドの

一員でございまして、ヒサヒさんもその一人です。昨日の事をミムラさんに

伺って、あなたを是非私たちのギルドに勧誘しに参った次第です」


バカ丁寧な敬語を使って、少女に挨拶をしているが、俺が言おうとしている

事を言ってくれているので黙って聞いていたが、勧誘ではなくて拉致の

間違いって事は訂正をしないといけないだろう。


「ギルドですかぁ。う~ん・・・」


初めて見せる戸惑いの表情だ。何かギルドに対して強い抵抗でも

あるのだろうか。


「あなた興味ないの?いいわよ~ギルド。こいつら使い放題だし。決まりね」


勝手に話を進める恣意的な保険屋のおばさんみたいな強引さだが


「いえそれが、別のゲームをする事になったので、私もそっちに行く事に

なったんですぅ。」


友人と一緒にゲームでもしているのだろうか。少女は、俺が知らない誰かの

意志のせいで別のゲームにいく事になったらしいのだが、この少女と一緒に

ゲームをしている何て羨ましい限りだな。俺が質問しようとすると、ヒサヒが

先に喋りだした。


「あらそうなの?でも、あなた今ログインしてるじゃない」


「はいー。昨日お世話になったので、ミムラさんにご挨拶だけでもしようかとぉ」


律儀な女の子で、俺は涙が溢れそうなのだが、挨拶をする前にパンを

かじっていたのは少女がマイペースで他ならない証拠だろうか。


「そういう事ならば、しょうがないですね。残念です」


ユリオスは既に諦めモードになっているが、ヒサヒはあくまで引き止めにかかる。


「その誰かわからないけど、一緒にこっちに連れてくればいいじゃないの。

このゲームのほうが面白いわよ」


「はい、それも考えたのですがぁ、やっぱり別のゲームに行くことに

決めたんです。でも、このゲームはとっても面白いと思いますぅ」


「んー残念だわ。せっかく知り合ったのに、う~ん、まぁでもしょうがないわね。

色々ゲームあるしさ、そっちでも楽しんでね」


俺には優しくないのに少女には何故か対応が優しいヒサヒであり、大人の対応で

少女を見送ろうとしている。それを横目に、俺はただ目線を地面に向かせ

何も言えず俯いている限りだ。俺もそっちのゲーム行きたい。


「わかりましたぁ。少しの間でしたが、とてもいい人達に巡りあえてよかったです。ミムラーさんもヒサヒさんもお元気でー」


「うん・・・お元気で」

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