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◆◆◆【彼女の 発見】◆◆◆
見つけた。
枝は伸びた。
影は薄く伸びて、幾重もの幻をその識に施した。
識の外にある者に気付くことは容易ではない。
けれど、不可能なことでもない。
「なんだ、そこにいたのか」
黒い子供は呟いた。
在ると知れた幻影は破れ、子供の前に道は見えた。
壊れた場所に、紡がれたその軌跡。
「探したじゃないか、なあ?」
黒い子供は優しく語りかけるように。
「俺の玩具」
彼女を嗤う。
一人目の子供は消えて。
二人目の子供は嗤い。
末の子供は、―――― 惑うている。
そして、子供たちは揃わない。