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君と過ごす日常的な非日常  作者: こころ 
否《いいえ》・是《そうです》
68/98

68 彼女と彼の、岸辺  其の五







 岸辺に咲いたは白い花。

 暗青色の人工湖の水には、その花の色は写らない。

 なぜなら、湖はとても深くて、とても冷たくて、とても狭いから。

 

 人工の湖【つき】には、天地を貫くよな杭が一つ刺さっている。


 その杭の名を、誰も知らない。










 三猿ってご存じ?

 あれだよ。

 見ざる言わざる聞かざる。

 どこぞのKYあるいはチキン、どっち? みたいな。

 お前美味いこと言った! 日本篇(江戸時代vr)のアレ。

 某泣くまで待とうな計画犯的Sの彼の神社で有名な猿の事です。

 有名よね。

 間違いなく。

 なので、あえて誤解をおそれずに言ってみたのさ。


「『猿の杭』でよくね?」


【【………死ぬるか?貴様】】


 コトリは今日も怖い。









 封の岸にある湖は一つしかない。

 ちなみに、それを初めて見た時の京香はJAROはどこだろうかと思案したものである。


「だって、『見えない感じない意味がない』の3N杭だよ? 猿でいいよ猿で」

 3N繋がりでいいじゃないか。


「知らん」

「意味がないは流石にどうかと思うんだが」

「5N怪人が何を言える立場ですか」


 親父ーズが京香の説明に不平をぬかした。

 ちなみに、ポン助がぬかした5Nの中身は『空気が読めない品がない自制が効かない脈絡がないそして何より頭が足りない』である。

 もちろん、ポン助から見た篠原京香の評価だ。

 …真実だけに誰のフォローもいまのところ不可能だ。


 神の遺産とも言われるものに対して意味がないとまで抜かす奴には、一族を招集しつつあるコトリ族の長どもからの私誅が下されることだろう。

 嘴の恐怖には更なる進化が存在することをいまの京香はまだ(・・)知らない。






 神話より存在する杭の姿は誰もしらない。

 ソレを見るには、ギフトが必要だ。


 『神からの贈り物』。



 ―――― ソレをもつものは、この地にはいない。 








「お手伝いでもしましょうかねえ」


 ぽつりと呟いたのは、ほんの少しの気まぐれと。


 たったひとりの親友がくれた呪いのせいだ。












本日の覚書


 ギフト


 『神からの贈り物』。

 多くは先天的な特殊能力。

 稀に、後天的に発生することもあるが、現在はほぼ先天的なもののみとなっている。

  



 ポン助


 ポン=ボルンのことを、たまに京香はこう呼ぶ。

 本人にばれると容赦のない脳天蹴りを喰らうので注意。

 どうやったらあたしの頭まで飛べるんだよ、このどちびがああああああああ!!

 二度目の脳天蹴りはこうして連続発生する流れ。

 いつでも美味しい天丼コンビ。










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