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君と過ごす日常的な非日常  作者: こころ 
否《いいえ》・是《そうです》
63/98

63 彼女と彼の、転移術  其の二







 まず第一に。

 転移術は元来の枠組みを空間魔法のなかにいれられる。

 目的となる場所と現在地との空間認識ができることが前提にあってこその業であり、同時に世界の認識を一時的にごまかすあるいは断絶させるがゆえに施行できる神話的魔法であると、多くの世界では認証されている。

 彼我を定義し、世界の定める定義の枠から跳躍できて初めて転移というのもは為せるわけだ。ドンとフライミ―。いつか空も飛べる筈。

 …失礼、何か間違えた。

 とりあえず、話題を元に戻す。(えへんごほん)

 さて、転移転移と世間一般では叫んでいるわけだが。

 通常における転移という言葉は、主に瞬間移動テレポートを指している。

 なぜか。

 それはまあ、比較的安易とされてるのが同一世界における転移だからだ。(実は神代にから伝わるお話の中には、それらが山のように出てくるらしい、いいよな神族楽そうでさ)


 で、もう一つ。

 神話でもめったに伝承に残ってないのが、もう一つの転移術。異界渡りと称される術だ。


 ………うん、本当にね、この術ほど定義が面倒なもんがない。なにしろ定番がない。

 ある奴は【白い亜空間に引っぱり上げた後でポイと落とすのがミソ】とかぬかすし、ある奴は【夢の通い路を使用するととてもエコだぜ】とかいうし(ちなみにナニのエコかは不明だ)。ある奴は【いっそ面倒だから死んだ奴をぽいと移行させるのが一番手っとりばやい】とか抜かす(ちなみにコレ意外に多い。なにおまえらそんなに面倒なの?やる気ナッシングなの?)。

 まあ、そんなとある場所でお会いした神とからしいご存在との対話は放置してください。もうあいつらに逢いたくはないのあたし。


 まあ、そんなかくかくこれそれの方法が確立されている中で、京香が使用する転移術の主となるのが位相転移の術なわけだ。

 いやいや、これ楽だよー。いやまあ、これしか使えないからってのもあるしむしろ気づいたらこの方法やってたしとかいろいろとあるわけなんですけども。(新しく覚えなおすなんてソンナメンドクサイ)


 …まず自分の居る場所を幾つもの界層へと分ける。んで、自分が行きたいよそさまの世界の位相を呼びつける。自分の居る場所と行き先である世界の位相を重複させて後、位相を戻すとあら不思議。―――異界渡りの達成と。そう言うわけですよお兄さん。(もちろんお姉さんでも可)


 どっかの野郎が、それは位相転移なのか召喚転移なのかをもっと詳しくとか叫んでたけど、あたしに聞くなお前が決めろとのみ返事しておいた。

 だって、どっちであってもあたしのやることに変わんないし、むしろ定義する必要からしてないわけだし。


 ん~まあ、そういうわけであたしの世界の渡り方=転移術の概要の説明を終わるわけだ。

 んで、なにやら異様に召喚しよびやすいこの異世界の魔王くんや美女魔女なお姉さんが使えるテレポの方の転移術が実はうまく使えないので教えて下さいと言ったら、すごい顔で絶望されたんだがちょっとどういうこと。(←いまここ)



 …と、いうのが今回のお話なわけデス。













「……教えるってなんでしたかしら? 陛下?」

 それはどんな破滅的無創造的な行為でした?

「少なくとも教える端から魂を飛ばす奴にしてはいけない行為だったような気がするぞ」


 レイちゃんとイスランという、二大転移術使用可能者が目の前で駄弁っていらっしゃる。

 いやだな、そんな褒められたらあたし困るじゃないか。(褒めてないという突っ込みは完全破棄の方向だ)


「――― 強制ギプスでも作るか?」

「いえ、むしろ魔道具の作成をした方がよいかと…」


 むっつかしい原理と理論と手順と応用をずらずらと述べてきた二人の手元には握りしめられてくしゃくしゃになり、涙と汗でインクが滲んだメモ用紙がある。

 その文字の数だけ貴重な二人の時間は喪失されたし、京香の魂も逃走した。

 覚える気はあるが覚えるための脳みそが京香になかったということは、その貴重な喪失した時間の結果、教師役2名が理解した大切な教訓だ。

 魔呪のベクトルを最も理解しているという魔術の最たる大家であるレイクシエル=オッドがその後京香のために作った魔道具【親馬鹿子馬鹿】によって京香は同一世界での転移術を学習することが出来た。

 『叡知とはこのようにして消耗されていいものだったか』と遠い眼をして呟いたのは、その日の魔王城の護衛番だ。


 

 …最近の魔王城の空には、どうにも魂がうろつきすぎていて困る。











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