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君と過ごす日常的な非日常  作者: こころ 
阿《ぱっくり》・吽《ぴったり》
34/98

34 彼女と彼の、もっふもふ!  其の二






 基となる種族の母たる狼の名を、真狼しんろうと呼ぶのだそうだ。

 たった一人の偉大なる狼から生まれた種族は、主に3つ。

 聖なる一族が一つ、聖狼族。

 魔族の一角たりし、魔狼族。

 属を持たぬ、――― 未分化したままの妖狼族。


 ―――― ようは、生きるために必要な主成分の割合がちがうだけってことだよね?


 ―― 身も蓋もない略し方ですこと。


 説明してくださったレイちゃんは呆れておりましたが、否定はされませんでした。


 聖狼族は聖気がなくては狂い死に。

 魔狼族は魔気がなくては弱体化。

 妖狼族はといえば、―――― 繁殖をおこなえぬ一代限りの狼たちの総称であるということだけ。




 ――― 母たるヒトは、喪われゆく子らをそれでも愛している。






「変人、土産は持ってきたか」

「うい、ポチお母様。ご覧くださいませ!!」

 べらんと広げたのは、こぞって肉屋のおっちゃんからゆずり受けた骨の山である。

 肉屋のおっちゃんには、毎回毎回何につかってんの、あんた。などと疑問の眼で見られてしまう。

 髄が好きなんです、髄が。

 真剣な目で語った後は、逆に褒められるようになったが。

 がりごりがりごりと丸ごと頑丈な牛骨を噛みちぎって喰ってるポチお母様の姿は決しておっちゃんには想像も出来まいよ。






「変人。―――それで、今日は何をしにきた?」

 食後のケアは大事です。

 ということで、まんまみーあのとても大きな歯をごしごしとブラッシング。

 歯磨き粉はきらいだと言われるお母様なので、お茶でごしごしである。

 お茶のカテキンだかには殺菌作用と消臭作用があるらしいのだ。

 いやがるポチお母様にいやいやお口を開かせてごしごしするのである。

 まれに蹴られそうになるのでそういうときは避難する。

 おかあさまってばご機嫌ムラはげしいんだからなあ、もう。

「肉屋のおっちゃんから余った骨が溜まってるから貰いにこいやと言われたので、配達しにきました」

 大量の骨はさすがに異臭を放つことになるので颯爽と届けに来たとも。

 ゴミ袋3つは多いって。マジで。

「――まあ、助かってはいるからいいか」

 ぽつりと呟いたポチお母様。

 なんだ、ついに待ち望んだデレ期か!!

 やはりいつかはと信じていた至福のデレ期が今ここに来たのか!!!


「土産の一つも持たずにこようものなら、簾巻きにした上に子供たちの遊び道具にでもするところなのだしな」


 ……まんまみーあ。ツンデレいらない。デレだけでいいよ(泣)



 簾巻きにされた上に、元気な盛りのミニマムもっふもふたちの頭突き攻撃は胃に来る。

 連中の遠慮のかけらもない全身タックルがちょうど京香の下腹部あたりにやってくるのだ。

 マジで勘弁してください。


 吐くわ。















 ミニマムちびたちには悪気はないよ。でも、容赦もないよ。

 まんまみーあ、躾してやってくださいませwww



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