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君と過ごす日常的な非日常  作者: こころ 
阿《ぱっくり》・吽《ぴったり》
33/98

33 彼女と彼の、もっふもふ!  其の一







 大神っていう言葉があるわけ。

 いやまあ、好きなゲームのタイトルなだけといえばそれだけなんだけども。

 古代の日本大和の国では、狼は一応益獣のあたいに入ってたんだそうな。

 なにしろ牧畜社会中心の西洋とは違って農耕社会だったから。昔の日本って。

 西洋とは違うその社会の中で『オオカミ』は神さまだったんだそうだ。

 田畑を荒らす山の獣を狩ってくれる大いなる神さま―――そういうこと。

 当時に生息していたというニホンオオカミは既に絶滅したらしいけどね。

 でもでも、この篠原京香さんだっていちおう日本人のはしくれ。

 もっふもふは大好きなんだ。

 道で出逢ったネコには「たま」、出逢ったイヌには「ぽち」、と呼んでしまう程度には。

 ……由緒正しい犬猫の名前だよね? ポチとタマ。

 ―――― 違った? うちのお父様がそう言って、もふもふしにたいでうごめいていたのを実家にいた時に確かに見たんですけど、あたし。








「――― まんまみーあ! お久しぶりです、ポチお母様ああああ!!!」


 もっふううううううううう。


 抱きついた感触は、最高のもっふも布団。

 至福である!!


「……またきたのか、変人」


 呆れた声が上空から降ってきた。

 もっふも布団の上には、更なるもっふもふのお顔があったりするんだぜ。


「変人じゃないやい、あたしはただたんにもっふもっふを愛してるだけだ!!」


 もっふもっふもっふもっふ。

 綿帽子のような艶やかな絹のような毛並みの素晴らしさ。

 ああああああああ、好き!!


「―――で、変人。いいかげんに我より離れよ。――育児に支障が出る」


「――はーい」


 しぶしぶと離れましたよ。

 至福のもっふもっ布団は実は別のミニもっふもふ達の専用布団であったりするのだ。



「ああ、気にするな子供たち。あの変人はあとで適当にすまきにしておくから、おまえたちはしっかりとミルクを呑んでよくお眠り」

 強く賢く育つためにな。



 愛情溢れる声で、我が子―――狼族の幼児たちに告げたブラフィ=ルビナは幸せそうだった。




 ――― まんまみーあ、あたしにもその愛をください。 



 以前されたお仕置きに対し「簾巻きかよ、まじかああああああ」などと叫んだせいで、定着してしまったお仕置き方法の存在に涙が出た京香だった。









 ポチお母様の巣には、なぜか藁で編んだ簾が数枚常備されているらしい。

 どんだけ準備万端ですか、まんまみーああああああ!!




本日の覚書


 ブラフィ=ルビナ


 狼族(聖狼族・魔狼族・妖狼族)の真祖。

 銀白の絹のようなもふもふ毛(長毛)が目印。

 母性に満ちあふれた男前な方。

 過去に京香は「●ののけ◎のおっかさまネ申そのまんま」と評したそうな。

 狼族自身が古い一族。――― 聖魔に属さぬというよりも、聖魔に分化する一族といえる。

 京香をつねに「変人」と呼ぶ。

 真実を善しとし、虚言を厭う。――― 野生の本能で嘘を見抜くよ。

 呼び名は真狼、大神、真祖、母上、ルビナ、一部の変人からは「まんまみーあ」「ぽちお母様」と呼ばれる。

 その鋭い爪と牙は、時折怖ろしいらしい。

 稀に蹴りが出るので要注意。




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