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君と過ごす日常的な非日常  作者: こころ 
阿《ぱっくり》・吽《ぴったり》
32/98

32 彼女と彼の、出会い  其の四







「――― もうあれから、4年もたったんだねえ」


 にやりと笑えば、イスランも何かを探るように宙を見つめた。


「ふむ。―――確かに、その程度の時間は経ったようだな。…お前の世界でも」


 地球における公転周期は365日。

 この世界における公転周期も365デリ≒1イアである。

 すなわち、地球の一日とこの世界では時間がほぼ等しいのだ。


 やってくる朝と昼と夜と夢の時刻が一緒であるということ。

 そーいうこと。






「ねえねえ、そこの初対面で若い娘のディープなキスを奪ってくださった魔王陛下? 」

「なんだ?」

 あ、堂々と返事しちゃうんだイスラン。

 さすが魔王陛下。

 ずうずうしさには定評があるね。


「――― 世界は愛おしいかい? 」


 にやりと訊いたのは、キミへの挑戦。


 忘れるものか。

 忘れるものか。


 ――――キミが問いかけた言の葉の一。





「 さて。 ―――― 世界はなかなか愛くるしいようだぞ 」

 とくにこの辺がな。



 そういいながら、イスランはあたしの頭をぐしゃぐしゃにかき混ぜた。










 ラ―くん相手に奮闘してたら、一人と一匹、ワインとドレッシングとソースを頭から被る羽目になった。

 目にもあてられないと嘆いたのは、Mな竜王の調理人。

 お行儀が悪いですわよご友人さま。

 大人の振りして叱りつけながら、自分の分のワインとチーズだけはしっかりと確保していたのは、氷佳の魔女。

 き・さ・ま、めっす。

 地獄の血の池地獄から噴き出した毒ガスのような怖ろしい声で震えていたのは、最後の竜王。(属性S)


 ――――――――― ふう。


 ため息をつきながら、冷え冷えとした冷水の張った浴室へと京香とヴィラードを転移させたのは目の前の魔王陛下。


【【 ……っつめてええええええええええ 】】


 頭を冷やせと言いたかったのか、友よ。

 頭よりも全身が凍えるわ!!


 両者仲良く、すいませんでしたと誠心誠意謝ったら、瞬時に適温の湯に代わってくれた浴室は幸せでした。



 柔らかなタオルで髪の毛を拭ったら、ふわりと浮いた細い髪の毛は静電気のいいお仕事。

 




「――― キミが生まれた日におめでとう 」





 たった一人の異世界の親友に。





  友達になってくれてありがとうって言いたかったの。















本日の覚書というか説明?


 1セク=1秒。

 1ミヌ=60セク=1分。

 1ホア=60ミヌ=1時間。

 1デリ=24ホア=1日。

 1マリ=基本的には30デリ(暦によって変動あり)=1月

 1イア=360デリ=12マリ=1年


 表記が違うだけで、時間は一緒。

 異世界らしく異なる時間軸にしようとしたら説明が難しくなりそうだったからあきらめたなんて言えないけどいっちゃった。




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