荒土師器 鐵空
...その日、空を昏き闇の如き《銕海》が突如覆い...異形なる「銕器」の雨を地に降り注がせた...
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西暦2055年
大手ライトノベル投稿WEBサイト「文豪に成ろうぜ」編集者、鈴木三郎は戦慄していた。
総額40億円の赤字を計上した文豪に成ろうぜを運営する御門河書店の早期退職候補者名簿に自分の名前が掲示されていたからだ。
その時、誰かが鈴木の肩をぽんぽんと叩いた。
油汗を垂らしながら鈴木は後ろを振り返った。
それは佐藤編集長だった。
佐藤編集長「鈴木君。ちょっと話が....そろそろ....」
鈴木「待ってください佐藤編集長!こっこれはきっと何かの間違いですよね.....」
佐藤編集長「うん、きっと鈴木君ならそう言ってくれると思ってたよ。」
鈴木「え?????」
佐藤編集長「鈴木君を新たに荒土師器鐵空先生の担当編集者に任命する!」
鈴木「んなああああああああああああ!!!!」
鈴木「アラハジキガイクウって...あの荒土師器 鐵空ですか!?
お、お願いです!それだけは勘弁してください!」
佐藤編集長「前言撤回の自由は無いよ。既に飛行機のチケットも予約済みだし早速明日にも挨拶に向かって貰うよ?」
鈴木「いやあああああああああ」
佐藤「いやー良かった良かった。
こっちも困ってたんだよね。前の新人担当の田中君が『超古代文明なんてある筈ないっすよ〜』って荒土師器先生の著書を完全論破しちゃったもんだから。
そりゃもう先生カンカンになっちゃってねぇ(笑)
絶筆宣言寸前まで行っちゃったのを撲が一生懸命説得したんだよ。」
佐藤編集長はサングラスをクイッとさせながら得意気にそう自慢した。
鈴木「・・・・は?・・・・・はァ?(ふ、ふざけんなよ?!アンタせっかくのチャンスを何してくれちゃってんの!?)」
鈴木「あの....また殺人未遂にまで発展したってマジっすか?田中君『荒土師器先生に日本刀で殺されそうになった....』って呟いてましたよ?」
佐藤編集長「その噂....どこかに漏らしたらクビだからね?」
次回
「荒土師器 鐵空『このイカストーンを持ってきたのは誰だ!?
担当を呼べェ!!!!!このイカストーンは酸化膜が薄く工具加工痕が存在する!贋作だッ!!!!!!!』」
※登場人物紹介※
鈴木三郎
大手出版社である御門河書店に務める編集者。
令和元年生まれ。
36歳。
荒土師器鐵空
昭和64年生まれ。
66歳。
主に秘境冒険活劇小説、歴史小説、SF小説、ホラー小説、伝奇小説、ハードボイルド小説を中心に非常に硬派な作品ばかりを世に送り出しているが代表作は小説家デビュー作でもある「♡プリティモマギナの超冒険♡〜♡私の前世はストロベリー星人♡〜」というハーレムラブコメである。
このライトノベルは日本のみでも1000万部、全世界累計3500万部のギガヒット作品だが売れた小説はこれのみの一発屋。
荒土師器自身は一発屋である事に激しいコンプレックスを抱いている。
『代表作は「♡プリティモマギナの超冒険♡〜♡私の前世はストロベリー星人♡〜」』とテロップ紹介される事を忌嫌いマスコミへの露出が極端に少ない事でも知られる。
一発屋と陰口を囁いたり、超古代文明の実在性を否定したり、ゆとり世代と呼んだりすると自身がコレクションしている謎の上古刀「(*1)緋曦色銕」で斬殺しようとしてくるなど非常に短気。
同作を超えられない事で近年はノイローゼ気味となり緋曦䒌銕を振り回す事も増えた。
テレビやインターネットなど近代文明の利器を兎に角忌み嫌っており担当編集者がスマートフォンを使用しただけで激昂する。
獅子の様な乱髪と文豪然とした和服姿をした初老男性である。
剣道二段。
本名は土師颯人。
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*1
「緋曦䒌銕」「緋曦䒌鐵」「曦緋䒌鐵」とも。
鹿児島県の雛型諸島で謎の片極䵻神社の老宮司カタムナカタから15億円で購入したという。
「銕海伝説 〜The Legend Of Iron Seas〜」
原作:宮嶋艮




