1話 流星
「ふあーあ……」
昼休みだ……
眠い、とにかく眠い。
何も変わらない毎日────
僕、流星 流星。
これでながれぼし りゅうせい。
この名前のせいで小中高と虐められて来たよ……
数少ない友達には下の名前で呼ばれる。
人生の一発逆転のために、勉強は頑張ってきた。
一応国立の大学に進み、真面目にやっている。
大学では今のところ問題は起きていなく、楽しくやっている。
でも、このまま就職して、平凡に生きていってもいいのかな……
今は大学1年生で入学したばっか。
まだ何か始めるには遅くないかもしれない。
まあ、食堂に行くか。
俺は講堂から食堂へと続く廊下を歩いていた。
すると後ろから……
「よっ、流星!」
「なんだお前か……こんにちは。」
「お前はなんかいちいち丁寧だよな?」
「うるせーよ」
数少ない友達の1人である荒山 影人だ。
「かげとはさー」
「ん?」
「なんか、してないのか?」
「なんかってなんだよ。」
「なんかだよ。」
「んー、そうだな……俺は天体観測サークルに入ってるぞ。」
「天体観測?」
「あぁ、面白いもんだぞ?毎日位置が変わり続けるし見える星も変わり続ける。無限に星がある訳じゃないからさ、なんかゴールが見えるというか、目標が定まるしやる気が出てくるんだ。」
「なるほど……」
星かぁ……去年までは名前のこともあり、よくいじられてきたもんだ。
でも、確かに面白いかもしれない。
1回サークルに入ってみるのもありか、まだ夏休み前だし馴染めるかな……。