第七十一話
誰かに起こされた気がした。
「ゼーーー、、」
よく聞こえない。
「ゼレールさん!!」
ゆっくり目を開ける。
暗くなった公園の空が見えた。
痛い地面に横たわっている。
隣にいるのは、誰かわからない。
「目が開きました!太ももと右脇腹に銃で撃たれた後があり、出血しています。右脇腹は重症だと思われます。ルーフによるものかと。ゼレールさん、救急車、もう直ぐきますから。持ち堪えてください!」
そう言われて少し安心した。
目の前に青暗く反射している何かがある。
それを強く握って、意識を閉ざした。
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ゆっくり目を開ける。
見慣れない天井。
わかるのは、病院特有の匂いがすることだけ。
今、病室には私一人らしい。
右手近くにあったナースコールを押し、しばらく天井を見つめる。
本当に、殺したんだ。
撃たれたところが少し痛い。
今は薬を打っているからだろうか。
多分しばらくすると、痛み止めが切れて痛くなる。
現実感のない殺した感覚と、受け入れたくない事実を痛みが現実に戻してくる。
ふと右横の棚を見ると、ゴーグルが光っていた。
若干割れている。
私のした攻撃でベルトが切れて落ちていた。
その衝撃だろうか?
多分最後に握っていたのは、これだったと思う。
没収されなくて、良かった。
ボーッとしていると、病室の扉が勢いよく開いた。
息切れしてるアカリさんが扉に立っていた。
アカリさんはバツが悪そうに目を逸らす。
「エリエちゃん、体調は。」
アカリさんがおそるおそる私に尋ねる。
「少し頭を打ってしまって。頭を動かすと少し気持ち悪くなりますが、それ以外は。撃たれたところは今は大丈夫です。」
「そっ、か。あのね、エリエちゃん。本当にごめんなさい。」
アカリさんが頭を深々と下げる。
目が少し潤んでいた。
とりあえずアカリさんを部屋に入れる。
「あの日、あたし達はロズくん血を持って現世に行ってた。ロズくんが助かる可能性を探るために翡翠さんに協力してもらおうと思ったのよ。でも、ダメだった。翡翠さんの鑑定は効かず、ロズくんの採血した血はルーフ化してあたし達に襲ってきた。あの時、選択を誤ってたわ。ロズがルーフ化したのが思ってたより早かった。カタラだけでも現世に置いておくべきだった。本当にごめんなさい。」
「・・・アカリさんは、ロズがルーフになる事、知ってたんですか?」
「それは、その、うん。エリエちゃんが聞いたらどうなるか想像して、そしたら、言うに言えなくて。あたしらが急いで解決すれば、何も起きずに済むかと思ったの、」
「そう、だったんですね。気を使わせてしまって、すみません。」
アカリさんは何か言おうとして口を噤んだ。
こんばんは。作者です。
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