第六十五話
ここ、だったな。
「俺らは一回も来たことねぇから分かんねぇけど、アカリさんは来たことあるんだよな?」
「うん。エリエちゃんと社長と。あの時は天界公認だったけど、今は天界ではダメなことをしようとしてるから、緊張が止まらないね。・・社員旅行が昨日のことのようだ。まさかこんな用事でここまで来るなんてね。」
二階建てのこじんまりしたアパート。
その二階に事務所がある。
四人で階段を登り、事務所のインターフォンを鳴らした。
中からドタドタという音が鳴り、誰かがドアを開けた。
「お、お待たせしました。・・・って、え?天使の方々、ですか?あ。あの件ですかね。」
開けたのは、秋ちゃんだった。
「あの件もだけど、もう一つ頼みたいことがあるの。お願いできるかしら?」
「情報を掴んでくれてるだけでありがたいです!協力できる事はなんでもしますね。どうぞお入りください。」
事務所の会議室に通され、四人で座る。
社長が持っていた言語共有のドームは持ってきていない。
社長にも言えたことではないからだ。
今回は、あたしが主に話を進めて、ヤクモくんがカタラとノアちゃんに翻訳してもらいながら話を進めていく予定だ。
「皆さん初めまして。」
会議室に日紫喜ちゃんと翡翠くんが入ってきた。
「アカリさんはお久しぶりですね。」
「えぇ。そうね。」
二人が会議室の椅子に座る。
「それでは、始めましょうか。地獄で何をしてきましたか。」
「一つは白緑翠さんという人に話を聞いたこと。もう一つはナカハラという男と対峙したことね。」
「白緑さんとナカハラ。あの方々でしょうか。刃也くん、アレ、取ってきてくれる?」
「はい。」
翡翠さんは、奥の方に消えていった。
やがて戻ってきた翡翠さんの手には、ある一冊のノートが握られていた。
『■■■■討伐日記』
と書かれたノートだ。
討伐日記の前の文字は、黒く塗り潰されている。
ずいぶん綺麗な字で書かれているな。
「これは、先代から受け継いでいるノートです。ある代で1番の黒幕に近づいた者がおり、何かがあって、その代から段々世界中に妖怪、ルーフが蔓延るようになりました。その代の一人が書き留めたノートになっています。」
これは厳重に保管されています、と日紫喜さんが言った。
みんなでノートを囲み、中を覗く。
『零二は今日も寂しそう。もしかして、あの方が元気ないせいなのかな。元気付けてあげたいけど、あの方が元気にならないと無理そう。あの方を元気付けてあげよう。』
『今日も失敗。ヒロイン達は倒せなかった。でも収穫はあった。このまま行ければあの方を、、』
これは、日記?
なぜこんなものが厳重に?
「もっと読み進めれば、このものの重大さが分かりますよ。」
考えがバレていたようだ。
言われた通り、もっと読み進める。
『今日は、、ヒロイン達に勧誘された。もう何回も。私は零二とあの方の味方!だけど、この考えは少し私が思い描いていたのと違うのかも?』
『今日から青柳雨音のところでお世話になることになった。あそこにはしばらく戻らない。なんとかあの方を説得してもっと違うやり方がないか探す!そのために協力しているだけ。本当に、それだけ。』
『・・・白緑翠が死んだ。これは私のせいなのかな、、こんなこと違うって零二もわかってるはずなのに。なんであの方を止めないの?』
『遂に、あの子があっち側へ行ってしまった。私一人だ。・・こうなったら、何がなんでも零二を止める。まずは仲間探し。』
皆さんこんばんは!作者です!
今回もよろしくお願いします!!




