第一話 絵
貴方は天国とか地獄とか、信じますか?
ここは天国。
罪を犯していない善良な人が死んだ後に来る場所。
普通は転生したりするもんだが、神様から承諾を得て天使をしてる人もいる。
働くと、転生したときの寿命が少し延びるのだ。
それがこの世界の給料。
そんな天国で、私はある仕事をしている。
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「エリエっ!!今から仕事だよ。ほら、本ばっか読んでないで行こーよ!」
「だって、後一時間もあるし。ロズもちょっとは休みなよ。二十連勤目じゃんか。」
「ひーまーなーんーだーよー!!!僕かって、ここにゲームがあったらそれしてるわ!」
そう。
私達天使は図書館くらいしか行くとこがないし、行けない。
神様に制限されているのだ。
だから、大抵の人は働かない。
そのまま転生する。
私は前世で後悔したから、来世はもっと生きようと胸に誓った。
「はぁ~っ。ホント、地獄で働きたいわぁ。」
「時給半分なのに?」
「永遠の命なんだから良いの。地道に働いて稼ぎたいのよ、私は。仕事も少ないし。」
と、他愛もない会話をしていると、あっと言う間に三十分が過ぎていた。
「そろそろ行こっか。」
「三十分前行動が当たり前って、ちょっとヤバイよね。天界。」
「ブラックすぎるのよ。」
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「あ、エリエちゃんだ。やっほ~。」
「こんにちは。カタラさん。あれ?ノアちゃんとアカリさん、ヤクモくんは?休みですか?」
「あー、ちょっとね。昨日カチョーに捕まっちゃったらしくてさ。めっちゃ飲んで、今もう歩けないって。」
あぁ、アイツか。
只でさえ、人手が足りないのに。
しかも、六人組中三人連れてくか?
普通。
「それにしても、カタラさん翼イメチェンしました?悪魔のことは、よく分かりませんが、、。」
「そーなの!見てみて、インナーカラー!ピンクと紫のグラデーションにしたんだぁ!カッコいいでしょ。」
ふむ。
格好いいってか可愛い?
天使の羽は水を弾くから、カラーができない。
その点は少し羨ましい。
「そろそろ始まるよ、二人共。早くいこ!」
仕事開始のベルがなる。
私達は武器を持って指定の場所に向かった。