第五十五話
「お、王女!!」
「そのあだ名止めて下さい。フランカです。」
王女さんは、拳で斧を止めている。
成人男性と思われる人の攻撃、さらに刃先をである。
拳からは少し血が流れている程度。
誰が見ても、この人はヤバイと言うだろう。
「今名前の話してんじゃねー、、よっ!」
王女の拳を凪ぎ払い、その隙に逃げる王女をナカハラが追う。
それに続いてナカハラを追いかけるが、なかなかに追い付けない。
むしろ距離を開かれている。
「クソッ、、俺が行く。ノアちゃんは俺と来い。ベタとノルはロズくんのとこで防衛!!」
「「「はい!!」」」
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これで、、よし。
ある程度の応急措置はすんだ。
僕も向かわなきゃ。
腹は少し痛むけど、動けないほどじゃない。
僕は後衛だし、動けなくても、問題はない。
「ロ、、、く」
行く準備をしてると、アルマズさんが口を開いた。
「話さないでください。今手当てしましたから。背骨折れかけてるし、肋骨がもう見えてます。かなり危険なので、、、お願いします。」
そう話すと、納得したように目を閉じた。
僕が行っても大丈夫だろうか?
「ロズくん!!」
「べ、ベッタさん、、!」
「俺も居る。」
「ノルベルトさんも、、何故??ナカハラは、、」
「アイツなら王女に飛ばされて、カタラさんとノアちゃんが向かった。俺らはアルを守りに来た。」
「そうです!!私達もアルを守るから、安心してね!」
「じゃあ、見ていてもらって良いですか?僕は向かわなきゃいけないので。」
「その傷で??駄目だよ!止めとこうよ。」
「多分内蔵どうかしてるだろ?休んだ方が良い。」
「それでも、行かなきゃ。」
ゆっくり立ち上がって、膝の塵を払う。
準備は万端。
「おい、ちょっと!」
「お二方はアルマズさんのとこに居てあげてください。では。」
飛べる、かな?
いや、、無理だ。
羽を出せないほど消耗している。
走るか。
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「ねぇ、ノル。ヤバイんじゃ??行ってあげたほうが良いよね?」
「、、、アルが心配だ。居てあげよう。今あのナカハラとか言う奴が来たら、俺一人、ベタ一人じゃ対処できないと思う。俺らの強みは連携。ここでベタに行かれたら、、俺らが困る。」
「でも、ロズくんは?あのままじゃ死んじゃうよ!」
「俺だって行きたい!!けど、、アルの方が危険だ。それに、あの目。見た瞬間気圧される様な、そんな感じ。正直あれは止められない。」
「そ、、、そう、だよね。」
みなさんこんばんは!作者です!
もしかしたら天国と地獄の圧倒的な戦力差は、覚悟の違いなのかも知れません。
今回もよろしくお願いします!
Franka・ven・den・Velden
カタラの後輩。
カタラさんと同じぐらい強い。
ちょっと抜けてる。