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八雲(やくも) 千歳(ちとせ)

はぁ、つまんな。

部屋に響くのは、ゲームのBgmと効果音、ゲーム機のボタンを押す音だけ。

コイツしぶとい。

三日間眠らずにやってんのに、中々攻略できない。

イライラしてきた。

はぁ、お腹空いた。

あ、ご飯無いんだっけ?

クビにされて、何日目だ?

課長、上司、同僚すべていい人だったのに、俺が無能すぎて皆俺に構って、社長からクビだと言われた。

その社長にまで、慈悲深くて手当てまで出してもらって、心配されて。

皆いい人すぎる。

クビにされるなんて、そりゃそうだ。

俺の同僚にこんなやつがいたらキレるね。

俺には生きる才能がない。

次の仕事探しても探しても、落ちるばかり。

このままじゃ、死ぬかもな。


===============


「命無駄にしすぎ!!!」

ん??

ここは?

「こんな奴、天国で久々に見たよ、もう。生きること諦めちゃだめ。君、悪いことなんもしてないしいい奴なんだけどさ、命の重みを分かりなさい!!罰として、百年転生禁止!!」

え、なんで俺死んでも怒こられてんの?

いや、命を無駄にしてた自覚はあるし、仕方ないのかも。

「え、俺、これからどうすれば?」

「はぁ。自分も怒ってばっかじゃ駄目だね。仕事しなきゃ。さ、パンフレット開いて、好きな場所選んでよ。」

空中に浮かんだ二つの選択肢。

まるで最近のゲームのようだ。

少しワクワクする。

『天使になって働く。』

『ここで天使になって地獄で働く。』

地獄で働くって、、選ぶ奴いんの?

地獄で会いたい人が居るとか?

ここは無難に


ポチ。ファン


おぉ、沢山の選択肢が出てきた。

明らかに光ってる選択肢がある。

「これは?」

「あぁ、今人員が超少ない仕事だよ。それ。時給よくて自分はいいと思うんだけどな。」

時給がいい!

ご飯が沢山食べられるのかな。


ポチ。ファン


「じゃ、行っておいで!!」


===============


───追い出された。

行く当てなんて無いんだけど。

「君、新しい班の人だよね!」

振り返ってみると、中学生ぐらいの小さい女の子がいた。

こんな子が俺より先に天国にいるんだ。

「あたし、カナグリアカリ!新しい戦闘員が来たって聞いて!!さ、此方!」

着いてきてってことだよね。

丁度いい。

行こう。


===============


「さて、また新入りだ。こちらはチトセ・ヤクモ。皆で支えてあげるように。」

「よ、よろしくお願いします。」

だんだん声が小さくなる。

ろくに挨拶もできないのか、俺は。

「じゃ、君は一班だから。仲良くするように。」

「はい。」

指を刺された場所に向かってみる。

「君がチトセくんね。あたし、さっきも紹介したけど、カナグリアカリ。アカリで良いわよ。」

「俺はカタラ。よっす!!仲良くしよーな!」

「エリエ・ゼレールです。よろしくね。」

あ、この人たち絶対いい人だ。

もし俺の不備で何かあったら。

そう思うと関わりたくなくなる。

「さ、武器選びに行こーぜ!!いやー、今日から四人班か。楽しくなるなぁ!」

「そうね!作業効率が上がるわ!!」

逆に落としちゃうかも。

「あの、や、ヤクモチトセです。ヤクモって呼んでください。お、俺、無能なんで、あんまり構わないでくだ、さい。」

「ヤクモくんね、了解。別に無能とか、どうでも良いわよ。ここは戦闘員第一番株式会社。強い奴が勝ち残っていくんだから!」

それができるか心配なんだけどな。

「とりあえず、武器選びに行こっか。」


===============


「ヤクモくん!!」

「はいっ!」


ダダダダッ、ダダダダッ


だ、駄目だ。

全然当たらない。

的に当てようとしても、銃口が衝撃でぶれてしまう。

結局、止めを刺したのはカタラさんだった。


それからも、何回も、何回も失敗しては励まされるの繰り返し。

やっぱり、俺に、この仕事は。


===============


?!

つめたっ!!

「ヤークモくん!!はい、水。」

「あ、アカリさんですか。やっぱ俺、かなり無能ですよね。足引っ張るし、銃もろくに扱えないし、アカリさんとカタラさんとエリエさんで毎朝練習してるのに、、一向に良くなる気配ないし。」

あぁ、会社の先輩に愚痴ってしまった。

印象悪いよな。

気分悪くなったかな?

「まぁ、正直言って、今の君は使えないわ。」

「・・・ストレートですね。」

「まぁね。でも、天使の寿命はない。今から沢山経験つめば、誰だって無能じゃなくなるわ!」

「でも、それができなかったら?俺がこの会社にいる意味が。先輩も困らせてしまうし。」

「だって、君まだ十年しかこの会社に居ないじゃない。先は長い。気長に頑張ってこ!はい、今からネガティブ発言禁止!!」

「アカリさん、ヤクモくん!!予約まで後二分も残ってないですよ!!」

「いーそーげ!二人とも!!今日は飲むって決めたんだからな!!!」

「さ、行こっか、ヤクモくん!!」

少し心の中が暖かくなる。

「はい!」

皆さんこんばんは。作者です。

今回はヤクモくん編ですね!

ロズくんが居ないのは、これより後にロズくんが入ったからです。

年が上なので、ヤクモくんはロズくんを「先輩」呼びしています。

これからも、『天使にへヴィメタルを。』をよろしくお願いします!!!

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