第二十八話
「人間って、、え?」
「え、知らなかったんですか?えっと、うちの翡翠さんって人が、研究して分かったんですが、人間と九十五%同じ成分なんです。問題はその妖怪、、ルーフへの成り方で、」
「ちょっとまって、え、うそ、、てことは私、人、ころして、、?」
人殺しなんて、そんな。
頭の中に私がしてしまったことがフラッシュバックしてくる。
私が倒してきたあれは、罪のない人達だったの?
「?!急にこんな話聞かせてしまってごめんなさい。エリエさん、顔色が悪いです。それに過呼吸気味。深呼吸してください!水、買ってきますね。」
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「、、、落ち着きましたか?」
荻原ちゃんが水を買ってきてくれて、少し落ち着いた。
心配そうな顔をしてくれている。
恥ずかしいとこ見せちゃったな。
「うん、、ありがとうね。」
、、確かに人間なら疑問だった箇所の説明がつく。
地獄から、天国と現世は相当離れている。
地獄から逃げ出したい人を脱走させないためだ。
だから何故地獄からとは思っていた。
逆に現世は天国に行く死者が多いため、距離が近くなっている。
人間なら、行き来しやすいはずだ。
しかも、神様はルーフへの研究を禁じている。
理由は倒すのに専念して欲しいかららしい。
法律で決まっている。
今まで疑問に思ってはいたが、口にはしていなかった。
、、、だとすれば何故人間だと隠していた。
それが分からない。
「天界はルーフへの介入が法律で禁じられているから、、、まさか人間だなんて、、」
「私達が天界と手を組みたいと言ったのは、ルーフを産み出している元凶がもしかしたら天界にいるかもしれないと踏んでいるからです。社長さんに会ったときにこの人なら信頼できる。と、"見えました"。なので、詳しく言うと、私達は天界ではなく、貴女方、会社と手を組みたいのです。今のエリエさんの話で確信しました。天界は何か隠している。、、詳しくはこれから話していきましょう。」
私の顔色があまりに悪すぎたのか、安心させるために荻原ちゃんがルーフについて、少し話してくれた。
「ルーフは、成分が人間ってこと以外、何も分かっていません。もしかしたら死んでいる人間に何か細工をして動かしているかもしれないし、生きた人間を無理矢理あの姿にしているかもしれないのです。いずれにも、治せる可能性はゼロに近い。さらに言えば、これ以上被害が出ないように止めるのも、必要なんです。だから、そんなに気を落とさないでください。」
みなさん今晩は。作者です。
最早、今話から『天使にへヴィメタルを。』がはじまりました!
これからもよろしくお願いします!