Catalla'(カタラ)・Dahs(ダース)
「どこいったあのガキ!」
「はぁっ、はぁ。クッソ、逃げるが勝ちだ!」
どこまで追ってくるか分からない大人。
この歳で雇う場所なんて、ブラックで安月給。
働きたくないに決まってる。
稼げないなら、盗むまで。
こんな世界が悪い。
最近は生ゴミを漁って生活している。
行く宛もない。
「いたぞっ。此方だ!」
しまっ
「行かせるかよっ」
バキッ
いった、クソ、殴られた。
体がふらつく。
「ガキが俺の飯盗みやがって。死ねごら!」
ドカッ、バコッ
「うっ、あ"っ」
肺、潰れた。
息、できな、い
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目が覚めると、何かよく分からない場所に居た。
右を見ても、左を見ても、人間に暴力を振るってる、角が生えた奴らばっかだ。
アレが『悪魔』ってヤツ?
「お、新入りじゃーん。ってことでお前、サンドバッグな。」
は?
何コイツ?
サンドバッグ?
逃げなきゃ。
「あ?逃げんのw?逃げんなよっ!」
ドガッ
「お"え"っ」
蹴りが鳩尾に入る。
「あははっ、コイツゲロったぁ!www胃酸しか出てないよ?お前、現世で何も食って無かったんだろ。罪は、窃盗か?よかったなぁ!窃盗罪は刑十年だ。自殺より少ない。精々地獄を楽しめよっ!」
バキッ、ドカッ、ボキッ...
───時間の感覚が狂う。
今何時だ?
蹴ってきたヤツが去ったと思ったら次のヤツがくる。
夜勤してんじゃねーよ。
やばっ、意識が。
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「やぁ、ダース君だね。十年おめでと。釈放だよ。さぁ、君はどうしたい?天国で生まれ変わる?それとも天国行って、天使になって働く?それとも」
「あ?一つに決まってんだろ。悪魔になる。あの俺を蹴ってきたクソ共に仕返しする。俺が!この天界で一番になってやるよ!」
「そうか。分かったよ。ここに来ると、体の時間が止まるからね。ずっとその子供の姿じゃ、困るだろう。君の二十四歳の姿をあげよう。」
パチン
「おお!デカくなった!」
「その姿のまま、成長しないから。じゃ、頑張って。」
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「あ"~、給料あげてぇ。使い道ねーけど。飯めっちゃ食いてぇ。今のまんまじゃ、現世とほぼ変わんねーよ。」
「じゃあ、天国行ったらどうですか?時給、私らの二倍らしいですよ。」
「えマジ?俺ら超ブラックで働いてんじゃん。」
天使の方が頭が良いヤツらが多いらしい。
そんなとこで一番上になったら、この劣等感も晴れるだろうか。
俺が一番になったら。
たまたま聞いた部下の言葉が離れず、天国でやってる天使の試験に行くことにした。
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「じゃ、今日から配属される、地獄から来た、カタラ・ダース君だ。皆、彼を頼むよ。お前は俺と同じ一班だから、今日からよろしくな!」
・・・肩触ってくんじゃねーよ。
あ"~、だるかった。
試験も当日、猫被りまくって掻い潜ったし。
もういいか。
「君がカタラか!悪魔って初めてみたよ!カッコいいじゃん!!」
は?
急に呼び捨てかよ。
「あ"?」
「どうも、あたしは京朱里。貴方の国ならアカリ・カナグリって言うべき?ま、いっか。じゃ、今日からよろしくね!」
「ははっ!今回の"新入り"、とがってんねぇー。」
咄嗟に手が出る。
「俺が一番嫌いな言葉吐きやがって。さっきから肩触るとか何なんだよ、お前マジふざけんなよ。」
「まぁまぁ、そんな焦んなよっ、と」
ダン
???
何があった?
何で俺、地面に顔着けてんだ?
「俺は劉栄仁。お前の国ならロンレン・リュウって言うんだよなたぶん。よろしくな。」
「お前っ、マジでふざけっ、」
クソっ、動けねぇ。
開幕早々変なヤツが多すぎる。
「じゃ、武器選びにいこっか。お前も着いてこいよ。」
こんばんは。作者です。
現課長:劉 栄仁 三百六十九歳(現五百四十九歳)
カタラをしばきたおす。正義感が強い。腕も強い。
三十話、ありがとうございます!
この調子で頑張って行きますので、引き続き、『天使にへヴィメタルを。』を、よろしくお願いします!