第十六話
勢いをつけて、背中を登っていく。
少しバランスを崩しているので、登りやすくはなっている気がする。
なるべくダメージを与えて動きを鈍くするために、背中に斧の刃先を当てながら走っているが、これがまたうるさい。
集中。
傷をつけている間、ルーフは私を振り落としにくる。
「ギァァアアアアアアア」
背中が揺れる。
ルーフが体全体を揺らして落としにかかっているのだ。
やばい。
耐えられない。
背中の角度も急になってきた。
一旦降りるのが正解か。
背面だからはたき落とされないはず。
飛ぼう。
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「ふぅ、やっと着地できた。」
背中を急降下していたら、ルーフが振り返ってきたのだ。
はたき落とされはしなかったのが良いものの、もう少しでルーフの手が翼を掴むところだった。
これからどうするか。
ルーフの右足は、完全とまではいかないものの、骨がもう再生できている状態。
やはり一人ではキツイか。
誰か応援を呼ぶしかない?
ルーフが混乱している今がチャンス。
シフト表を素早く取り出した。
えっと今は?
カタラさん、か。
呼ぶ?
呼ぶか。
カタラさんのデスクの電話番号なんだっけ?
確か、。
携帯用ベルの持ち手を六回ひねる。
しばらくすると、
『はい、こちら戦闘員第一番株式会社です。ご用件は?』
と、カタラさんの声がした。
よかった。
あっていた。
「カタラさんですね。」
『お、エリエちゃんか。どうしたの?休憩中だから気にしないで。』
「ちょっと、ルーフ倒すの手伝って欲しくて。このあとカタラさん事務ですよね?上司に事情話して来てくれませんか?」
『・・・りょ~かい!』
電話を切ったその直後。
ふと振り向くと、ルーフが手を振りかざしていた。
やば、逃げなきゃ。
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「はぁ、はぁ。っ、遅いですよ!!!」
「いや、ごめんて。でもニ十分しかかかってないし?」
「めーっちゃ逃げ回ったんですからね?死ぬかと思った。あ、鼓膜半分破れたんで、左から話しかけないでくださいね。」
「そんなすらっと。まぁ、いっか。コイツ?」
「はい、そうです。」
「おっけ~。」
カタラさんがチェンソーのエンジンを入れる。
「おっしゃあ、やるか。」
こんばんは。作者です。
昨日投稿できなくて、ごめんなさい。
今回はぜひ、楽しんでくださいね。




