第十一話
ペンキ着きのバリアが、ペンキを被った数秒後、消えたのだ。
つまり、私達が攻撃したところに上手くバリアを張っていたってこと?
他のルーフより知能が高いな。
毎回着弾地点にバリアが張られて、なおかつバリアの耐久値が戻るなら、銃は意味を成さないわけだ。
どうしたものか。
とりあえず下におりて考えよう。
ルーフは攻撃をしてこない。
資料によれば、ルーフは戦闘員が攻撃してからすぐに反撃してるらしいじゃないか。
反撃しない原因は、たぶんアカリさんかな。
他の戦闘員より強くて気に入った?
アカリさんの初めの攻撃の時には既に消耗していた?
真意はわからない。
まぁ攻撃してこないのはありがたい。
目一杯頭をフル回転させる。
消極的にバリアを張っているってことは、バリアを張るのに体力が要るのか?
それなら長期戦になるな。
全員で一回攻撃しまくるのが手か。
さっきと変わらないな。
収穫があっただけいっか。
皆に聞こえるように、最大音量で話す。
「皆さんも聞いてください!アカリさんとヤクモくんは私達のことは気にせずにバンバン撃っちゃってください。良いですね?」
「はぁ、今日残業かなぁ?」
「いやだぁ。」
「皆、静かに。ロズーーー!聞こえるーーー?」
「ーーー!きーーえー!」
よく分からないが話を進めて良さげな雰囲気だな。
「今からーーー全員でーーーいっ斉にーー攻撃するからーーーロズも参加してねーー!」
「わーーたー!!」
頭の上で丸を作っている。
伝わったってことかな。
「せーのでいきますよー!」
全員が頷く。
「せーの!!!」
ダダダダッ、ドギャャヤ、
オレンジ色が着弾地点に現れる。
ルーフのバリアは耐久値が変わらないと見ていいな。
となるとやはりバリアは割れないと考えて良いだろう。
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しばらく攻撃をしていると、体力が無くなってきたのか、ルーフが攻撃をしてきた。
バリアの隙間から針を撃ってくる攻撃。
それを避けながらさらに攻撃をしていく。
ガンッ、ガン、スカッ
ん?
スカッ?
どうやらバリアを張れなくなってきたようだ。
刃物系は攻撃に体重をかけるため、たまに
「うおっ、あぶね!コケるかと思った!」
ああなる。
気を付けながら攻撃しないと。
と思っている間に、バリアが段々小さくなっていくのを感じた。
そろそろ頃合いかと思ったのもつかの間、アカリさんがルーフの懐に入る。
物凄いスピードでビックリした。
ルーフの足をアカリさんが狙い撃つ。
バリアに頼りきっている体はやはり柔らかいのだろう。
豆腐が崩れるように弾け飛んだ。
ロズが眼を撃つ前には、もうアカリさんが倒していた。
こんばんは、作者です。
アカリさんは何故そんなに強いのでしょう?