第九話
アカリさんが目の前に来ると、ルーフも戦闘態勢に入ったのか、目が赤くなる。
少し見合った後、先に攻撃を仕掛けたのはもちろんアカリさんだった。
ルーフが自分の周りにバリアを展開したようだが、目に見えない。
これでは、手探りで撃って隙間を見つけるしかない。
バキューン
眼を狙って撃った弾がバリアで跳ね返される。
跳ね返された弾は、アカリさんの髪を掠った。
スイッチが入ったのか、アカリさんは連続で銃を撃っていく。
避けるためなのか、ルーフの周りを走りながら撃っている。
ダダダッ、バン、バン...
その攻撃をすべて跳ね返すバリア。
跳ね返った弾はアカリさんのほうへ飛んでいく、が一つも当たらない。
一回目の攻撃から、アカリさんに掠った弾は無かった。
何回もバリアを破ろうと試みているが、破られる気配はない。
それを悟ったのか、アカリさんは敵の様子をうかがいながら、こちらへ戻ってきた。
「これはダメだね。二十回はあてたのに壊れる気配がない。それに、」
「・・・反撃してこない。」
「!!。成長したね、ヤクモ君。いい観察眼だ。そうだ。あたしが何回も攻撃してたのに一回も攻撃してきていない。」
あんまり気にしていなかった。
ヤクモくんすごいな。
「そこで考えうる二択は、一、攻撃を単純にそのまんま跳ね返して様子をうかがっている。ニ、攻撃された力を自分の力にできる能力を持っている。どっちだと思う?」
「絶対一でしょ。」
カタラさんが即答した。
「なんでそう思う?」
「だってー、アカリさんの攻撃全部跳ね返してましたし。その攻撃の威力見た?そっくりそのまんまでしたっしょ。自分の力にするヤツは大体跳ね返さずに弾ごと吸収するか、威力が明らかに落ちたモノを跳ね返すよ。」
「うん。そうだね。あたしもそう思う。」
おぉ、なんかすごい
私にはよく分からないような会話だ。
実戦経験だな。
「しかし、弱点がわからんな。まぁ、みんなで攻めても殺せると思うよ。とりあえず───」
ロズはここで眼を狙う。
アカリさん、カタラさん、私の三人でとりあえず間合いに詰め寄る。
もしかしたらもっと叩けば割れるかもしれないと言うノアちゃんの一言があったので、中距離のヤクモくんとノアちゃんは、チャンスがあればひたすらバリアを叩いてもらうことにした。
皆さんこんにちは、作者です。
アカリさんは三百年戦闘員やってますからね。
とってもつよいです。