第四話 絵
は〜〜〜〜〜っっっ。
やっぱりか。
ぜっったいこうなると思った。
ま、酒には抗えないからこの二人と飲むことになってるんだがね。
私は今、成人男性二人を両脇に抱え、社員寮に帰っている。
これで何回目だ?
六十回は運んだ記憶がある。
周りの目線が痛い。
「は〜や〜く〜!!」
「エリエちゃん、がんばぁ〜」
送ってもらってる分際でふざけるなよ?????
はぁ、走ろ。
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『あ”〜。無理、動けん。ごめんエリエちゃん。今日頑張って。』
『僕も無理そう。ウッ、ちょ、ちょっとミュートっ。』
そりゃそうだろうな!!!!!
あんな酔っといて二日酔いがない方が珍しいわ。
昨日はあれほど任せようと言っていたのに、当日でまた謝る電話を入れるのは、二人らしい。
朝、目覚めたと思ったら、物凄い勢いで電話が鳴ってきて、何だと思ったらこれだ。
電話をブチって、だるい体を起こしながら、キッチンまで向かう。
インスタントコーヒーをマグカップに注ぎ、テーブルまで足を急いだ。
今何時だ?
えっと、八時か。
今日の戦闘員の依頼まであと六時間。
レポートはちびちび進めるとして、一日三時間くらい?
まぁ、行けるっちゃいけるな。
どうしようか。
体は意外と快調。
今回の依頼はルーフの数が多いと聞いた。
あの三人に任せて大丈夫だろうか。
うーん、理だな。
班が崩壊する未来しか見えない。
ここは仕方ない。
行くか。
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よっし、やるか。
自分の頬をバシッと叩き、目的地まで覚悟を決める。
もちろん面倒くさいが、上司に体調不良と嘘をついて休む方が、胸が痛い。
天使になってしまったからには、抗えない『宿命』なのだ。
と、少し歩いていくと、目的地にたどり着いた。
集合場所は、大聖堂前。
仕事開始のベルが鳴るまで待機だ。
「あ、エリエ先輩!こんにちは!」
向こうから走ってくるは、私の班の一人のノアちゃんだ。
「今日はロズ先輩と一緒では?」
「あぁ、アイツ今寝込んでてさ。二日酔い。私が代わりになるように頑張るよ。」
「まさか、私達と同じで上司に捕まって?」
「いや、私とカタラさんとロズで飲みにね。」
「あぁ、あの二人、エリエ先輩と飲んだのか。そりゃ休むわね。」
どーゆー事だ。
二人と今日の仕事の内容で確認し合っていると、後の二人もやってきた。
アカリさんとヤクモくんだ。
「よっす、二人とも!ちょーどヤクモ君とばったりだったからさ、そのまま一緒に来たんだよ。」
「こんにちは、」
「あれ?カタラとロズは?」
「あ〜、二人とも二日酔いで。」
「なるほどね。アイツら酒弱いもんなぁ。」
チリンチリン
「お?もうそろだな。行くか。」
「はい。」