8話 モーニングトラブル
1日を分割して書きます
入学式から二日経った今日、オリエンテーション合宿の出発日当日。学校の集合時間が朝の六時半ということもあり、かなり眠たい。体が重い。普段は七時にやっと渋々起きる人なのに。幸いなのは、家から学校までが近いこと。いや、朝の五時半起きは体にくる。今すぐ布団に戻りたい。そんな愚痴を脳内で喋りながら、淡々と用意をし、淡々と学校まで歩き、学校に着いた。
学校に着いた時には、半分ぐらいの人が学校に来ていた。集合時間までにトイレに行っておこうと思い、周りを見渡すと阿野と目が合った。阿野は何も言わずにこっちに近づいてきて
「なあ、一緒にトイレ行こうや」
なんで、同じことを考えてるねん。もしかして超能力者? いやいやそんなわけない。たまたまだろう。
「むしろ、一緒に行かせてください。」
口調がおかしくなった。朝で脳みそが活動停止しているっぽい。がんばれ! 俺の脳! そう自分の脳に語りかけトイレに行った。
トイレに行くと出発の前ということもあって大盛況だった。次から次へと人がくる。ゆっくりトイレすることすら出来ない。さっさとトイレをして帰ろうと思った時に、阿野以外の誰かに声をかけられた。そして、今この状況で知り合った人と友達になりました。
なんてことでも起きないかなと思いながら,教室へと向かう。
「ね、宮野くん。宮野くん。無視しないでよね」
この声どこかで聞いたことがある声。若菜の声だ。
「わぁ、びっくりした」
「宮野くん全くこっちに気づかないから」
「ごめん、ごめん、阿野を待ってたから」
「にしても、気づかなすぎ。てか、阿野って誰?」
「あ、昔からの友人」
絶妙なタイミング? でちょうど阿野がトイレから出てくる
「あ、これが阿野」
「初めまして。室田若菜と言います。いつも宮野くんにお世話になっています。」
「あーこちらこそ」
何かのお見合いか? そんな恥ずかしいことをしないでくれ。絶対に周りから誤解される。
「ほ、ほら早く教室に戻るで」
恥ずかしくて、思わずすぐに会話を切り上げてしまった。どのみち出発の時間が迫っていることに違いはない。阿野とそそくさに教室に戻る。阿野とは途中で別れるが・・・
教室に着くと、フワフワした空気が教室を満たしていた。
「そろそろ、席につけよー」
朝っぱらから大きな声を出さないで欲しいところだ。
「みんな、揃ってるかー?」
周りを見渡すと、一人を除いて揃っているようだ。
「あれ? 富田は?」
そんなこと聞かれても誰も知っている訳がない。
「出発しないと間に合わないし、仕方がない! バスに行くぞ!」
どうやら、富田というやつを諦めたらしい。
皆、少し口角を上げながらバスへと向かう。
バスに皆が乗り終わった頃、担任の先生が少し挙動が変だ。まさかとは思ったが・・・
「あ、富田くんきたわ」
『え?????』
「よし、全員揃ったね。しゅっぱーつ」
一年生一同を乗せたバスは、合宿場へと向かった。
バスを走らせること2時間半
僕たちは合宿場に着いた。
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