7話 初めての日の終わり
短めです
その後すぐに阿野と別れた。まだ四月ということもあって十八時代にもなるとあたりがかなり暗い。なおかつ、この道は街灯が少なめなので余計に暗い。犯罪にでも巻き込まれたら大変だ。
「またな」
「またな また明日学校で!」
と言い、家までの道を改めて歩き始めた。
歩くこと十五分、我が家に着いた。俺の家は二階建てのアパートの二階に住んでいる。築30年ということもあり、かなり家にガタが来ている気がする。このアパートは株式会社Shomesという会社が管理しているが、正直この会社の管理体制はかなり雑な気がする。入居者募集の看板は朽ちている。
「ただいまー」
「おかえりー、学校どうやった?」
最初に出てきたのは母だった。それもそのはず。父は片道五十キロを毎日通勤しているので家に帰ってくるのは十九時くらいだ。
「やっぱり、中学の時と感覚が全然違うわ」
「そりゃそうやろうな」
「あ、そういえば明後日にオリ合宿あるから、あとで用意するの手伝ってや」
「わかった」
これで、とりあえず荷物の心配はしなくてよくなった。
あとは、明後日を待つのみ。すると、玄関が開く音が聞こえた。
どうやら父が帰ってきたらしい。まだ十八時半だというのに。
「だだいまー」
「おかえり 今日帰ってくるの早いね」
「今日することなくて暇やったから、早く帰ってきた。」
「することないのいいなあ」
「ばかもん 朝八時から十七時十五分までは働いてるねん」
「すんまへん」
「今日、学校どうやった?」
「ぼちぼち、楽しかったよ」
「それは良かった」
「お、おかえり」
この声は姉の彩乃姉の声だ。二つ上の高校三年生で俺と同じ高校に通っている。
姉は相変わらずアニメを観ている。俺がアニメ好きなのも遺伝なのかもしれない。実を言うと父もアニメを観ている。
つまりそういうことだ。
「西明高いいところでしょ!?」
「いいところではあるけれど、建物がボロくね?」
「翔介、それは禁句」
「あ、すんまへん」
どうやら、ボロいことは言ってはいけないらしい。
「ご飯できたよ」
母の元気な声が聞こえてくる。
「はーい」
と、俺、姉、父が返事をし、ご飯を食べ始めた。
ご飯を食べ終わった時にはもう夜の八時だった。
そのあとは、中学の時と変わらない夜を過ごし、初登校日が幕を閉じた。
第一章終わりました
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