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人のことを嫌わないある男子の夢  作者: ごまそう
1章 高校生活スタート
4/19

4話 入学式

長文で書いてみました

この学校の体育館は2階構造になっている。


1階は、更衣室とトイレがあり、2階にフロアがあるという構造だ。

体育館のフロアでは、土足禁止なのはもちろん、水分を摂ることも禁止されているらしい。

なんとめんどくさいルールなんだ。

このご時世、どこでも水分を摂れるようにしておいてくれ。そんなことを思いながら、自分の席に着く。これは、学校あるあるだが、パイプ椅子の一部分が剥がれていて、パイプが錆びている。このくらいは、予想の内だ。


そんなことを考えていると、入学式が始まった。自分のやることは、礼をするだけだ。楽ちん。

まずは、長い校長の式辞に始まり、覚えてもいない校歌斉唱。そして、入学生代表挨拶。おそらく、挨拶をしている彼が一番成績が良かったのだろう。そんなことを思いながら過ごしていた。今日の入学式には、自分の母も来ている。変なことはできない。なのに、若菜は式の最中にでも話しかけてくる。

「な、宮野くん」

「な、なに?」

「式長ない?」

「ま、しゃーない。そういうもんんだ」

「でも、そうだけそさー」

若菜は何を言おうとしたのだろうか。

「ほら、静かにしてないと先生に怒られるぞ」

「はい・・・」

気まずい空気が流れてしまった。しかし、黙っておいた方がいいのは事実だ。さっきから、奥の方にいる高齢の先生の視線を感じる。これ以上、話していると、式の後で呼び出しを食らいそうな雰囲気だった。


その後も式は続き、最後の挨拶になった。

「これにて、第24回県立西明(せいめい)高等学校入学式を閉会します」

やっと終わった。1時間の式だったが、体感的には3時間くらいに感じる。式も終わり、帰れるかと思いきやまさかの自分達が座っていた椅子を自分達で片付けるというのだ。本当に?


ふと横を見ると、若菜が、持って欲しそうな目で見つめてくる。おいおい、そんな目で見られたら...僕は鬼ではない。しかし、神様でもない。

「持てそう?」

これなら、質問の答えは「うん」か「うん」のどちらかだろう。そう思っていると

「持てないから、宮野くん持って」

まじで?こういう時って普通『あ、大丈夫、持てるから〜』とかじゃないの?そんなことを思いながらも、持ってあげることにした。

「ありがとう!宮野くん!」

そんなこと言われたら、恥ずかしい。中学時に女子との関わりが少なかった僕にとっては会話のハードルが高すぎる...


僕はニ人分のパイプ椅子を持って、収納場所まで歩く。地味に重い。途中で阿野に話しかけられ

「お!宮野やん!なんでお前椅子ニつも持ってるん?」

「あ、いや、それはその...先生に頼まれてさ」

「ふ〜ん。ま、いいや」

なんとか乗り切った。阿野は勘が鈍い。これなら、安心だ。阿野が

「クラスどんな感じ?」

と聞いてきた。ここで、クラスの女子といい感じというと、後々めんどくさい気がしたので今は黙っておく。

「あー、六組は佑がいたわ」

「え、まじ⁉︎いいなー佑と同じクラス」

「そろそろ、時間やばいし戻るで」

「はいよ〜」

中学の時と変わらない返事を阿野と交わし、別れた。


あれ?そういえば若菜は?どこへ行った?椅子だけ持たせておいて...


数十メートル歩いたところで、

「ね、さっきはありがと」

「待ち伏せですか?」

「失礼な。その、お礼言ってなかったから...」

「ああ、別に気にせんくていいよ」

「そっか、ありがとうね」

気まずいのか知らないけれど、『ありがとう』しか口にしない。

「教室に帰らないと、担任に怒られるぞ」

「うん」

ここで、一緒に帰るとクラスの奴らに何を言われるかわからない。噂が広まってしまっては困る。そう思った僕たちはそれぞれ友人と合流して教室に戻った。


教室に戻ると、半数が戻ってきていたが、半数は戻って来ていなかった。多分、違うクラスへ遊びに行ってるのだろう。自分は佑とでも話しておくか。そんなことを思い佑のところへ向かう。

「な、佑。めっちゃ暇じゃなかった?」

「まじそれ。途中意識吹っ飛ぶかと思ったもん」

「校長の話長いわー」

「それなー」

「てか、女子と仲良しそうに話してなかった?」

「なんのことかなー」

「誤魔化すな。俺は見たぞ」


話のいいところで、担任の先生が教室に入って来た。

「悪い、この話の続きはまた今度で」

そう言い残し自分の席についた。

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