ある日のこと
駄文ですが、付き合ってくだされば幸いです
自己満なのでその点のご理解をお願いします。
その日、あいつにメッセージを送った。
内容は
「俺は人間嫌いか?」
たったそれだけ。ついこの前学校でそいつに、「お前は人間嫌いかよ」と言われことがあった。そのときは「んなわけねぇだろ」と返していた。
でも今、ただ天井を眺めながらソファに横たわって、ただただぼーっとしていると考えてしまう。
他の人たちは何をやっているのだろう?と。恋人とデートしているのだろうか?友人たちとどこかに遊びに行っているのだろうか?がむしゃらに机に齧り付いて勉学に勤しんでいるのだろうか?それとも、己と夏休みを過ごすものがいないことを嘆いているのだろうか?
他の人がそうなら、自分はどうだ?ただテレビを見て、時々机に向かって勉強をして、それも嫌になって、天井を見つめている俺は、いったい何なのだろう?そんなことを考えていたら、ふと、その言葉を思い出した。
人間嫌い、他人と関わることが嫌いで、一人であることを望む人、と言うのが俺の解釈だ。
でも、どちらかといえば俺は、「人間嫌い」なのではなくて、「人間以下」なのではないのだろうか?
それを認めたくなくて、まだマシな「人間嫌い」と言う言葉で、自分を誤魔化しているのではないだろうか?
そう考え始めると、無性に誰かに聞きたくなってきた。
どうしてこいつに聞いたのかは、大した理由ではなかった。ただ、そいつには彼女がいて、周りをよく見れて、クラスの統制役で、簡単に言えば、俺には無いものを持っていた。
他人と関わることをいともたやすく行い、人と深くつながろうとするあいつなら、俺の心中を、孤独で矮小かもしれない俺の心を見通してくれることを期待していたのかもしれない。
メッセージを送ってしばらく経ったあと、携帯の着信音がなった。あいつからだった。
内容はたった一言、
「人間が嫌いかは知らんけど、お前はええ奴やで」
それだけだ。
当たり障りのない言葉で固められた文面、気を使っていっていることを嫌と言うほど感じる。
「いい奴」とは様々な意味を持っている。感覚で言えば「マジ」や「ヤバイ」を使う時と同じだ。
だからこそ、そんな言葉は逃げの言葉として使える。具体的な意味がないからこそ、受け手の好きに解釈し、脳内で補完することができる。
「何だ、そう言うことか」
思わず声が漏れた。
こいつの人の関わり方はただ周りに合わせているんだ。
他人と関わり、信頼され、期待され、そうやって狭まった世界で生きている。
だがこれは、俺個人の視点から見て勝手に思ったことだ。
もしかしたらそんなわけでもなく、これがそいつの本性で、その生き方が性に合っているのかもしれない。
俺に送ってきたメッセージも、そいつ自身が本当思ったことなのかもしれない。
でも、それでも、何とも生きにくそうだ。
申し訳ないことをしたのかもしれない。
そもそもの質問内容もおかしかったが、この問題は、俺個人の問題だ。だから返事を返す。
「ありがとな、お前もいい奴だよ」
意外と返信は早かった。
「大丈夫、言われずともわかってるから」
「そうか」
「その反応はその反応で傷つくwww」
「ツッコンだほうがよかった?」
「それでこそお前だから」
「何じゃそりゃ」「変なの」
「何でもいーでしょ」「べつにー」
「あら、そう」
そのあとは他愛もない話をした。宿題のことや、お互いの失敗談、どうしょうもなくくだらない時間を過ごした。
「宿題やるわ」
あいつは最後にそう言って会話を終わらせた。
その画面を見る。メッセージのやり取りは、ほとんどくだらないことばかり書かれている。
「はぁ」
小さなため息をついてスマホをソファに放り投げた。
ふと、天井を見る。
壁紙によって作られた天井の白い凹凸を見つめる。
見つめているうちにだんだんと視界はぼやけ、ほとんど何も見えなくなる。
俺が何かを考える時に稀に起こることだ。
自分は何なのか?
答えは簡単だ。自分は自分、他の誰でもない。
なら、その自分は何なのか?
一つ、結論が出た。
「俺はただの薄っぺらい人間だ」
何かに熱中することもなく、他人を心から信頼することもできず、自分が何が好きで、何が嫌いかも知ろうとせず、適当に周りに合わせて、そうやって生きている軽薄な人間だ。
勉強があまり得意でもなく、運動能力も中の中で、顔も何も秀でたものはなく、人格もあまり良くはない。
そんな人間が、将来の計画を建てようが、失われた過去に思いを馳せようが、得るものは何もなく、動こうと思うこともせず、ぼんやりと明日をみている。
「クソ野郎だな」
窓を見る。太陽は眩しく、日が燦々と降り注いでいる。
そんな中で、俺は虚しく虚空をみていた
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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