いや、ちょっと魔法陣からはみ出て真っ二つになるとか聞いてないんですけど
俺はスマホのちょっと怖いアラーム音で目が覚めた。この音マジでどうにかならんの?
俺はスマホを手に取り時間を確認した。スマホの時計は6時を指している。
BOTTIの朝は早い。特に意味はないが俺の場合、早い。
俺は眠い目を擦りながら、床に散らばったプリントなどを踏まないようにそおっと歩き、クローゼットを開け学校の制服を取り出した。
俺は高校2年の学生だ。成績は平均。顔も平均、運動も平均。だが、友達と呼べるものは0人。
しかし、一つだけ優れていることがある。 そう、それは異世界の知識だ。
俺は日ごろからネット小説やライトノベルなどを読みまくっている。だから、異世界に関しての知識は人並み以上と断言できる。それだけがおれの唯一の取柄w。
俺は、パジャマを脱いで制服に着替えてから、自分の部屋の前にある階段をおり、左側にある扉を開け、ダイニングに行った。
ダイニングは普通だ。そう至って普通、テーブルが少し汚いぐらい。生活感があるテーブルの上には、「これ朝御飯」とかかれた置き紙があった。その下には、ラップされたワカメと豆腐の味噌汁と山盛りのご飯、焼き塩鮭があった。
また一人か…
そう思いながら俺は、ダイニングテーブル近くの冷蔵庫から冷えたお茶を出し、逆さまに向けられたダイニングテーブルの上の裏返されたコップをたて、お茶を注いだ。椅子を引き一人、端にちょこんと座り、箸を持って、「いただきます。」といった。慣れているとはいえやはり寂しい。
俺は食べ終わると食器を片付け
また二階に上がり、学校の支度をし、家を出た。
学校につき、自分のクラスかどうか確かめ、教室に入った、陰キャ大好き、窓側の左後ろの席に座る。
俺は、何回席替えをしてもこの席だ。たぶん、学校側がなんかしてると思う。憶測だが、俺は学校?先生?お墨付きの陰キャって訳だ。俺はそこら辺のやつとは格が違うんだよ。
陰キャとしての格がな;;。
俺はスクールバックから今月発売されたライトノベルの新刊を取りだし、ワクワクしながら読み進めた
◆◆◆ーーー◆◆◆ーーー◆◆◆
昼休憩のチャイム、クラスがガヤガヤと騒がしくなるなか
「はぁ」
と俺はため息をついた
ため息が出るのは仕方ないわ
なぜかって、あのクソ忌々しい時間割りのせいだわ
マジでふざけてるわ、なんだ?あれ喧嘩売ってんのか?突然変更になって「数数古古」って連続で持ってきたらダメなものを二連続にするな。
俺はスクールバックから日高昆布おにぎりとラノベを取り出した。
やっぱラノベ見てる時が一番楽しい、あと俺はおにぎりは昆布派だ異論は認めん!
その刹那、教室の床に金色の文字が大量に浮かび上がる。
そして金色の文字たちが一斉に中央に集合し、金色の魔法陣らしきものを作った。さっきまで五月蝿くしていたクラスが静まり返り、クラスメイト全員が驚きの眼差しを床に向ける。中には、腰が抜けるものや、放心しているものもいた
そんな中、俺はと言うと、、、
え!、え!!。マジ?来ちゃう、俺の時代来ちゃう?これ確実にクラス転移だろ!!\(°∀°)/キタコレやっほい。うわああああああ、やっと夢が叶ううう。俺も「俺TUEEE」したいなあああ
そんな俺の思考を遮るように
「なんだこれはっ」
とクラスを牛耳るリーダー的存在、木村悟が声を発した。
こいつはいつも女を侍らせていて気に入らん。高校生なのにけしからんですぞ!フンッフンッ!!
すると、突然黒板に青白い板状のものが現れる
そこには、金髪ツインテロリが写っていた
『はいは~い皆さんいい感じに困惑してますねえ~~、僕の名前はアルガ。異世界の神やってま~す♪』
僕っ子要素も追加だ。と俺が考えていると金髪ツインテロリ+僕っ子が続ける
『えーっと。こっちの世界のみんなには悪いけど、僕の世界の都合で君たちを転移させる…つもりだったんだけど、転生させた方が世界の状況もわかるし、いいかなっておもったんで転移じゃなくて転生させることにしました~』
「はぁ、お前何言ってんの?まず、お前誰だよ?」
「そーだお前誰だよ」
「「そーだそーだ」」
とクラスメイトが声を上げる
真実かどうか確かめる前にものをいうところを見ると、全員未知の状況に置かれているので信じざるおえないのだろうか
『残念ですが、皆さんに拒否権はありませんので~♪』
「は?ふざけんなよ。何勝手なことしようとしてんだよ。テメェに何か問題があるならテメェで解決しやがれってんだ。人を巻き込むな糞野郎!」
クラス有一のヤンキー濱田が言う。
下の名前?しらん
え、初対面のやつに普通そんな言葉遣いで言う?ド正論言ってるけど。
『ちょっとうるさいから君は消えて~』
そう言った瞬間、濱田の足から徐々に燃え上がり、全身を炎で包み、一瞬で灰になった。
クラスメイト全員が唖然とする。
おいおい。冗談じゃないぜェこりゃあよぉ
「キャアアアア」
一人が悲鳴をあげた
清楚系の成瀬…えぇー、ええっと誰だっけまぁ、成瀬だ。
『今みたいに~うざかったら消すから。』
クラスが静まり、生唾を飲む
『もう説明めんどいから、そこの魔法陣入って~♪』
クラスメイトたちがぞろぞろビビりながら魔法陣に入る。
くぅぅぅリアル魔法陣かっけぇえええマジテンション上がるわ!!!
俺も入ろうとした瞬間、足元の魔法陣に気をとられ、目の前にいた筋肉だるまギャフンギャフン。
いいがたいをした、無駄に暑苦しい熱男熱男君のばかでかい背中にぶつかり、俺はスタントマンのように華麗に後ろに転倒した。
その瞬間、眩暈がするほど眩しい光と共に2年C組のクラスは異世界に転生した。
◆◆◆ーーー◆◆◆ーーー◆◆◆
『哀れな人の子よ』
…ここは何処だ
何もない真っ白な空間。光源らしきものがないのに回りは明るい。どこを見渡しても白い地面の地平線しか見えない。
ラノベでよくありそうな空間じゃんwなんかあるのかな?かなかな?
すると突然、何もない空間に亀裂が入り、そこから女性が出てきた。
その女性の金色の綺麗な髪は腰まで届き、肌は白く透き通っており、きれいな顔をよりいっそう目立たせている。また、豊満な体が女性らしさを引き立てている。
「綺麗だ」
と自然と言葉が口から出た
『貴方は死にました。』
突然の死亡宣言!!
そんなことより俺のさっきの言葉は聞こえてなかったのか、よかった~。俺は陰キャだからな、びびったぜ。何て思ったけど、俺死んだのお!!転生できてないのぉ?
マジかー。あれっ。でも、転生だからみんな死ぬのは当たり前だよな。ということは、これは転生前の案内ってことかな?
『否。転生前の案内ではありません』
あっれれーおっかしーぞー俺なんも喋ってないんですけど。心読めるてきな感じか?
『はい』
とその女性は軽々とした口調で答えた。
『貴方は死んだんです!!』
WOWマジか!!!ちょっと待ってヤバい。理解が追い付かん。
俺は死因を探るため記憶をたどる
んん~と、俺なんかしたっけ?原因となりそうなものはあのとき熱男君にぶつかったぐらいかな
それから…それから。あとなにもねええええぇ。じゃあ俺、あの素晴らしいずっこけで死んだの!?
クソダセェーじゃん。
『否、貴方は転生するとき転倒したことにより魔法陣から体が半分出てしまったので、貴方の下半身だけ転生しました。なので上半身だけの貴方は、大量出血で死にました。wwwwww』
は?ちょっと待った。ヤバイヤバイ。というか下半身だけ産む親可哀想だろ。
え、じゃあ俺の夢の異世界ライフはどうなんの?俺TUEEEできないん?てかこいつ笑いおるぞ。おい馬鹿にすんなよ、これでも、これでも、、、うぅなんもない;;。俺はなんてしょうもない人間なんだ。思い出しても一人でラノベ読んでる記憶しかない;;。というかあんただれ?
『人に名前を聞くときは、まず自分から名乗るのが礼儀では?』
確かに~。うんうんと俺はうなずく
僕は、、、いや私は荒田 新也と申します。失礼ですが、貴女のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?
うおおお。すげえ俺声に出さなかったら、なんでもしゃべれるじゃん!!リアルなら「あ、、、うっ、あ」とかしかしゃべれないのに。これがコミュ障の真の治療法!?
『これはこれはご丁寧にどうも。私はリュラと申します。異世界の神をしています。』
えっ、神様?。、、、あのツインテ神とは違うのか?俺思いっきりタメ口だったんだが、、、
『別に気にしていません』
これは~寛容?なのかな?ツインテ神ならぼこされそう。
『そんな話は置いといてですね。』
あれ?なんかさっきと感じ違う。さっき「否」とか言ったのは、キャラづけ?
『黙ってください』
図星か…
『おっほん。…もう普通にいきますね。』
あっ コイツ諦めた
『貴方は死にました。死因はさっきいった通りです。それを見てて、私が「コイツ間抜けだな~w」って思ったんで、異世界に転生させてあげようかと思いましてw』
それってあんたに、メリットなくね。あと笑うのうぜえな
『いや、なんか面白そうなので』
いや好奇心!!!でも転生できるならいっか。と楽観的に考えたりしてみたり、でもおもしろそうってなぁ、つまり俺を見て楽しむってこと?おもろいかそれ?自分で言うのもなんだが転生しても多分ずっとBOTTIだぞ。
『じゃあ決まりですね。今日生まれる人間は~』
そう言って神がなにかのリストらしきものを見る
『oh sh●t!!』
嫌なんで英語?謎にネイティブだし
『今日は人間生まれないみたいです』
え?じゃあ俺どうなんの?てか、人間産まれない日とかあんの?
日本だったら、夕方に某ニュース番組が「今日はこんな子が生まれました~」とかやってるぐらいだよ!!どんな世界だよ!!!明日とかできないんですか?なんとしてでも人の形は保たせてくれ~ラノベで見るけど、人外転生はあんまりだぁ。俺は異世界で俺TUEEEのハーレムがいいんだよ!!
『明日だと、貴方は自我を維持できなくなり、意思を持たない魂だけの存在となってここを一生彷徨うこととなります』
それって、無限地獄ってコト!?
『そうとも言います。ええと、ましなのは…このゴーレムですかね。』
え。ゴーレムってあの土のあれ?
『はい、今日産まれるもので比べても一番ましなので。あとあなたの言ってた人の形(笑)ですよw』
今日産まれるもので比べても一番ましって絶対そんなことないだろ。あと笑うな
『ゴーレムだったらその他もろもろ付けますから』
その他もろもろってなに??チートとか!?
『それは言えません』
それならダメだろそんなゴーレムにチートなしで転生とか誰がするか、まずゴーレムに転生したい奴なんていねえだろ。俺は何としてでも人間として生まれるんだ。
『無言は肯定ととります。』
いやちょっと待てよ。俺今、断ったじゃん。なにいってるの?
『はて~断ったとは?はにゃぁ?わたしぃわかんなぁい~、ちゃんと言葉で言ってくれないとぉ。』
お前心読めるんだろが!!
そんな俺の言葉に気も向けず『では』と言った。その瞬間、真っ白な地面にあの教室と同じ魔法陣が現れた。そして徐々に俺の体を吸っていく。
「お前、絶対邪神だろ!」
『まぁ、そうとも言いますw。では次の人生ww、いや、次のゴーレム生www。どうぞ楽しんでwwwww。』
こいつ笑いやがったな。マジ覚えとけよ
その時、俺は魔法陣に体を全て吸われ異世界に転生した。