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滅亡回避し栄華を手に! 名門だけど滅び歴史に埋もれた豊嶋家の嫡男に転生したので天下統一を目指します。  作者: 武雅


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奇襲と奇襲

川越城を出発し狭山を通り根古屋城を目指す。

と言っても行軍はゆっくりで本来なら1日もあれば余裕で到着する距離だが出陣したその日は狭山まで進んで野営をする。

まあ兵は本当に野営だけど将などは近隣の農家に金を渡し家を借りて夜を過ごすんだけど、金を多く渡すと女の子が用意されるから先に必要ないと伝えておいた。

女の子は用意しなくていいのにそれなりの金を貰った農民たちはホクホク顔だ。

うん、女の子用意されたので抱きましたなんて照と彩に知られたらどうなる事やら…。

絶対に道真のジジイに聞かれたら即行で暴露しそうだし。


翌朝、風魔衆より長尾景春の命を受けた国人衆5人が合計で兵1000人程の兵を率いて出陣したとの報告が入ったので坂戸の国人衆に俺達の所在が知られないように間者を始末するように命じそのまま狭山に留まる。

昼になると扇谷上杉家の兵2000人が府中を通過し本日中に東村山辺りに陣を敷く予定との報告がもたらされた。

ただ兵を率いているのが上杉朝昌と言うのが気に入らない。

処遇は扇谷上杉家に任せたとはいえ全く処罰されていないどころか兵の指揮任されてるし!!


恐らく七沢城、沢山城へ向かった各10人程の風魔衆は既に到着しているだろうから今晩辺り滑液包炎を使って城に火を放ってくれるだろう。

これで臭水(原油)を使った滑液包炎が役に立たなかったらマジ凹むけど実験では燃えたから大丈夫なはずだ。

原油も採れた場所によって燃え方が違うから早く精油を出来るようにしたい所だけど危険度を考えると中々直ぐにとは出来ないのが歯がゆい…。

それはさておき今晩には兵を引き返し明日の早朝、入間川を渡河した坂戸の国人衆へ奇襲をかける為、兵達に休養を取らせる。


その日の夕方、根古屋城まで間近の東村山に陣を敷いた上杉朝昌からの使者がやって来て何故まだ狭山に留まっているのかと詰問をしてきたが川越城へ兵が向かっているので今晩の内に取って返し敵軍を叩いた後再度兵を進めると伝え追い返した。

川越城に迫っている敵を叩いている頃には既に扇谷上杉の兵は逃げ散っているだろうから再度兵を進めることは無いんだけどね。


その夜、狭山から川越に向けて風魔衆の先導で兵を進める。

そして時間が午前0時を回った頃、七沢城と沢山城に火の手が上がった。

両城共残っている兵は少なく、風魔衆は簡単に城内に忍び込み主殿、兵糧庫を中心に火の付いた滑液包炎(劣化版火炎壺)を投げ込む。

突然上がった火の手に留守居の兵が慌てて消火を試みるも普通の火事ではなく原油に火が付き燃え広がっている為に水をかけても消えるどころか火の勢いは増すばかりで夜が明ける頃には主殿も兵糧庫も、そして大手門まで焼け落ちていた。

消火にあたっていた留守居の兵達も焼け落ちた主殿や大手門を前に呆然としている。


沢山城が炎上したとの報が夜の内に東村山に陣を張る上杉朝昌の元に届けられると朝昌は諸将を集め軍議を開くも只の火事か敵襲かの判断がつかず状況を確認させる為に物見を走らせるも、朝になり駆け込んで来た急使より七沢城に敵が侵入し炎上したとの報告を受けると諸将に命じ兵を引き上げる準備を命じた。


そんな上杉軍の様子を物見の報告で知った矢野兵庫と山口高忠は慌てて陣を畳んで引き上げようとしている今が好機と全軍を率いて襲い掛かる。


「かかれぇ~~~!!! 褒美は望むがままぞ~!!! 押し崩せ!!」

「敵は逃げ支度をしている臆病者ぞ! 撫で斬りにせよ!!! 」

先頭で馬を駆る矢野兵庫と山口高忠に遅れてはなるものかと兵達が続き、引き上げの支度をしていた上杉勢の中に突入する。

この時既に沢山城、七沢城に火が放たれた、落城したとの噂が陣内に流れ兵達の士気が低下していたところへの強襲を受け、右往左往しながら逃げ戸惑う上杉方の兵を矢野兵庫と山口高忠の兵達が蹂躙する。

敵襲の報を受けた上杉朝昌は家臣と共に指揮しようと馬に乗り戦場を見回すも既に味方は混乱状態で敵兵が既に本陣近くまで迫っているのを見てもはや立て直しは無理と判断し相模方面へ馬首を向けて逃げ出すと、本陣の兵が逃げ出した事で混乱の中、抵抗をしていた兵達にも動揺が広がり、矢野兵庫と山口高忠が突入して30分もしないうちに壊走を始める。


ここで扇谷上杉家の兵を削り打撃を与える為、攻める側も追撃の手を緩めず壊走する上杉勢の背を追い次々に討ち取っていく。

「首は打ち捨てよ!!! 追え!! 追って追って撫で斬りし一人も生かして返すな!!!!」


以前、川越城攻めに失敗し手傷を負い、そして小机城を失った矢野兵庫とその兵達は今まで苦杯を舐めた鬱憤を晴らすべく逃げる兵の後ろに喰らいつきその命を刈り取っていく。

多摩川まで追撃しそこで更に多くの兵を討ち取った矢野兵庫と山口高忠は渡河をすると沢山城へ兵を進める。

既に2人の元へは風魔衆が密かに沢山城の状況を伝えている為、本来なら追撃は多摩川までの所、勢いをそのままに沢山城へ雪崩れ込む。

沢山城は既に主殿と兵糧庫、大手門が焼け落ちている為、さしたる抵抗も無く落城し矢野兵庫の手に落ちた。


扇谷上杉家の兵を率いていた上杉朝昌が逃げ出した頃、昨日狭山に陣を敷いていた太田、豊嶋軍も兵を移動させ、川越城を牽制するために入間川を渡河した坂戸の国人衆の兵に襲い掛かっていた。

川越城方面から太田軍1000人が、入間川沿いに豊嶋軍500人が、密かに入間川を渡河した豊嶋軍500人が3方向から攻めかかった事で元から川越城を牽制の為で合戦をするつもりも無く、すぐに渡河し引き返す事が可能な浅瀬を背に陣を張っていた事で背後から迫った豊嶋軍に退路を断たれる形となり坂戸の国人衆達とその兵は完全に浮足立ちそこに突入した豊嶋、太田兵達の餌食となっていく。


突入して暫くすると戦場に首級を挙げた者の勝ち名乗りが聞こえだし、逃げられないと悟った兵が武器を投げだし降伏をしはじめ、合戦が始まって1時間もしないうちに戦場から怒号が消え、敵兵は降伏した兵と、首のない死体だけとなる。

降伏した者の多くは農民兵の為、相応の鎧兜を着た武者だけを残し、士分の者も含め追い払うようにして解放し、それ以外はその場で首を刎ねる。

後で分かった事だが、首を刎ねた者の中に、領主が1人、国人衆の重臣が6人、で他はあまり名の知れていない武者だった。

恐らく鎧兜を新調した者や代々大事に受け継いできた鎧兜を着ていた者も多く居たっぽい。


見た感じざっと300人程討ち取った感じだな…。

解放したのが400人ぐらいだから300人ぐらいは逃げ出したと言った感じか。

首実検をしてみないと分からないけど関東管領に内応している国人衆の大部分は討ち取ったと思うから良しとしよう。


これで川越城から兵を出したら坂戸の国人衆が攻めて来ると言う実績が出来たから、今後出陣を要請される事は無いと思うし。

後は川越城の改築だな…。

これを口実に関東管領上杉顕定から改築費用出して貰えないかな?

収穫が終われば農民も動員できるし金さえあれば来年の春までには堅牢な城になるんだけどな…。


俺が言うと絶対に金は出ないだろうから川越城城主である太田資常と道真に言って書状を書いてもらおう。

川越城は武蔵の重要拠点だからね。

金を出し惜しみして敵の手に落ちたら目も当てられないから出してくれるはずだ。

出さなかったら豊嶋兵と太田兵で城を改築をする事になるが、木材は豊嶋領に沢山あるし…。

何とかなるだろう。


補足--------------------------------

■関東管領方

上杉朝昌(扇谷上杉家)→長尾景春に味方する根古屋城を攻める為に出陣

豊嶋・太田軍→根古屋城を攻める上杉朝昌の援軍として出陣


■長尾景春方

矢野兵庫・山口高忠、根古屋城で籠城の構えを見せる。

坂戸の国人衆連合軍(関東管領に寄りの者達)→川越城を攻める構えを見せて豊嶋・太田軍を牽制


★豊嶋家は長尾景春方だが関東管領に味方していると公言をした為、表立って長尾景春の味方が出来ない為、密かに景春の元に風魔衆を送り関東管領と繋がっている国人衆を川越城を牽制させる名目で出陣させるよう依頼しつつ、風魔衆を使い上杉朝昌の居城等を放火するよう命じる。

それと同時に風魔衆を密かに使い根古屋城へ放火計画を伝える。


上杉朝昌への援軍として根古屋城へ向かうもゆっくりと行軍しつつ風魔衆が城に放火する日を待つ。


城が放火されたとの報告を受け急いで退却しようとする上杉朝昌軍へ矢野・山口軍が襲い掛かる。


同じく放火が完了したとの報告を受け川越城へ迫っている坂戸の国人衆に対処する名目で豊嶋・太田軍が反転し攻めかかる。

と言う流れになります。


裏では長尾景春に味方しつつ、表面上は関東管領方として長尾景春の命で出陣してきた坂戸の国人衆を討つたと言う流れです。

出陣してきた坂戸の国人衆は関東管領に通じているものの表面上は長尾景春に従い出陣して来ているのでそれを討ち取る事で関東管領の力を弱める事を目的としています。


坂戸の国人衆達は関東管領に通じているとは言え川越城を攻める構えを見せているので攻撃しても川越城の防衛の為と言い訳が出来ると言う状態です。


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誤字脱字、稚拙な文章ではございますがお読み頂ければ幸いでございます。

宜しくお願い致します。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 関東かんれい側?の朝昌を、豊嶋は攻めたの? [気になる点] 誰が味方で、敵なのか分かりにくいです。豊嶋は反かんれい側の山口らを敗走させ、逃げた先の上杉朝昌が山口らの逃げ込みを敵襲と思い逃げ…
[一言] 見事な勝利!
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